2026/04/27
遺言書の保管方法
2026/04/27
遺言書の保管方法
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
遺言書のご相談を受けていると、
「書いた遺言書はどこに保管すればいいですか」
「自宅で保管しても大丈夫でしょうか」
といったご質問をよくいただきます。
遺言書はどれだけ内容がしっかりしていても、作っただけでは不十分です。
・見つけてもらえない
・紛失してしまう
・誰かに破棄されてしまう
といったことが起きれば、遺言が存在しないのと同じ結果になってしまいます。
今回は、遺言書の保管方法と注意点についてお話しします。
遺言書の種類によって保管方法が異なる
遺言書には大きく分けて次の2種類があります。
・自筆証書遺言(自分で書く遺言書)
・公正証書遺言(公証役場で作成する遺言書)
それぞれ保管方法が異なるため、順番に見ていきます。
自筆証書遺言の保管方法
① 自宅で保管する
もっとも手軽な方法ですが、次のようなリスクがあります。
・見つけてもらえない
・誰かに隠される・破棄される可能性
・火災・水害・紛失のリスク
・相続開始後に「家庭裁判所の検認」が必要
自宅で保管する場合は、必ず家族に存在と保管場所を伝えておくことが大切です。
耐火金庫など、災害に強い場所に保管するのも有効です。
② 自宅の金庫に保管する場合のリスク
「金庫に入れておけば安心」と思われがちですが、実は注意点があります。
・家族が暗証番号を知らず、開けられない
・金庫ごと処分されてしまう可能性
・開錠に専門業者が必要になり、費用がかかる
・金庫の存在自体を家族が知らないケースもある
金庫は安全性が高い反面、“開けられない”という別のリスクがあることを知っておく必要があります。
③ 信頼できる家族や知人に預ける
自宅保管よりも「見つけてもらえる可能性」が高まりますが、
・保管者が亡くなる・連絡が取れなくなる
・内容に不満がある人が隠す可能性
といったリスクもゼロではありません。
預ける場合は、利害関係のない第三者を選ぶのも一つの方法と言えるでしょう。
④ 法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用する
2020年にスタートした制度で、現在もっとも注目されています。
メリット
・紛失、破棄、隠匿の心配がない
・相続開始後の「検認」が不要
・遺言書が保管されていることを証明できる
・死亡後に、指定した最大3名に通知が届く(希望者のみ)
デメリット
・自筆証書遺言のみが対象
・内容のチェック(法的妥当性)はしてもらえない
「自宅保管は不安」「家族に知られたくない」という方にとって、非常に使いやすい制度です。
公正証書遺言の保管方法
公正証書遺言は、公証役場で作成し、原本は公証役場が保管します。
メリット
・紛失・破棄・改ざんの心配がない
・原本が保管されているため、謄本の再発行が可能
・相続開始後の検認が不要
遺言書の信頼性が高く、保管面でも安心できる方式です。
ただし、遺言者が持つ「正本」や「謄本」は相続手続きで必要になるため、どこに保管しているかを家族に伝えておくことが重要です。
貸金庫で保管するリスク
自筆証書遺言を保管する際と、公正証書遺言の正本・謄本を保管する際に共通して言えることですが、貸金庫に預けて保管することについては、次のような問題があるため私はおススメしないようにしています。
・死亡後、貸金庫が“凍結”される
・相続人全員の同意や書類が必要で、開けるまで時間がかかる
・貸金庫の存在を家族が知らないと、永遠に開かれない
・契約者本人のみの契約だと、手続きがさらに複雑に
・遺産分割協議の後で遺言が見つかって、分割の手続きがやり直しに
「安全だけど取り出しにくい」という特徴があるため、どうしても貸金庫に入れる場合は、遺言を保管しているということを家族へ共有することが必須です。
遺言書が見つからないとどうなる?
遺言書が見つからなければ、遺言がないものとして相続が進みます。
そして、
・遺産分割協議が終わった後に遺言書が見つかると、話し合いをやり直すかどうかでもめる
・あとで遺言の存在を知った人が隠してしまう
といったトラブルに発展してしまうこともあるのです。
こうしたトラブルを防ぐためにも、「保管場所」と「存在を伝えること」がとても重要です。
遺言書は「作る」だけでなく「保管」も大切
遺言書は、どこに保管するかで実効性が大きく変わります。
ご自身の状況に合わせて、最適な保管方法を選ぶことが大切です。
行政書士法人エニシアでは、遺言書の作成サポートから保管方法のご相談まで承っています。「どの方法が自分に合っているかわからない」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。
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