2026/04/17
遺贈寄付 -後編-
2026/04/17
遺贈寄付 -後編-
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
前回に引き続き「遺贈寄付」についてのお話しです。
前編は、遺贈寄付の基本的な仕組みやメリットについての内容でした。
後編では、実際に遺贈寄付を行うための手続きの流れや、寄付先の選び方、遺言書作成のポイントなどをお話ししていきます。
「興味はあるけれど、どう進めればいいのか分からない」
そんな方の不安が少しでも軽くなるよう、それでは順を追っていきましょう。
遺贈寄付の基本的な流れ
遺贈寄付は、遺言書に「寄付したい団体」と「寄付内容」を明記することで実現します。
一般的な流れは次のとおりです。
- 寄付したい団体・目的を決める
- 寄付する財産の種類を整理する
- 寄付先の団体へ事前に確認する
- 遺言書を作成する(公正証書遺言が確実)
- 遺言執行者を指定する
- 相続発生後、遺言執行者が寄付を実行する
それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。
① 寄付先を決める
遺贈寄付の第一歩は、「どこに寄付するか」を決めることです。
寄付先には次のような種類があります。
- 社会福祉法人
- 学校法人
- 医療機関
- NPO法人
- 自治体
- 災害支援・研究支援などの公的基金
団体によって受け入れ可能な財産の種類(現金・不動産・株式など)が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
また、団体の理念や活動内容が自分の想いと合っているかどうかも重要なポイントです。
② 寄付する財産を整理する
遺贈寄付の対象となる財産は、現金だけではありません。
- 預貯金
- 不動産(土地・建物)
- 株式・投資信託
- 美術品・骨董品
- 生命保険金(受取人を団体に指定)
ただし、不動産や株式、美術品・骨董品などは評価が難しかったり、そのまま受け入れてもらえない場合は換価する必要があるなど手続きが複雑になることには注意が必要です。
③ 寄付先の団体へ事前に確認する
遺贈寄付を希望する団体には、事前に連絡しておくことをおすすめします。
その理由は次のとおりです。
- 団体が遺贈寄付を受け入れているか確認できる
- 寄付の使途(目的)を相談できる
- 不動産や株式などの受け入れ可否を確認できる
- 手続き後の連絡方法や感謝状の扱いを確認できる
団体によっては「遺贈寄付相談窓口」を設けているところもあります。
④ 遺言書を作成する(公正証書遺言が確実)
遺贈寄付を確実に実現するためには、遺言書の作成が不可欠です。
形式に不備があると、遺言が無効になり寄付が実現しない可能性があります。
確実に残したい場合は、公正証書遺言がおすすめです。
- 公証人が内容を確認するため安心
- 原本が公証役場で保管されるため紛失の心配がない
- 家庭裁判所の「検認」が不要
なお、相続人がいる場合は「遺留分」(最低限もらえるものとして法律で保障されている相続分)に注意が必要です。
遺留分を侵害している場合、将来相続人から請求が行われることがあるため、遺留分を無視した遺言の内容では、寄付が受け付けてもらえないことが多いです。
⑤ 遺言執行者を指定する
遺言執行者とは、遺言の内容を実際に実行する人のことです。
遺贈寄付の場合、遺言執行者を指定しておくことで、相続人全員の合意でもって寄付手続きを行うのではなく、遺言執行者が単独で寄付先に財産を引き渡すことができます。
遺言執行者には例えば次のような人を指定できます。
- 信頼できる家族
- 弁護士・行政書士などの専門家
- 寄付先団体(受け入れ可能な場合)
専門家を指定しておくと、手続きを確実に進められて安心です。
また、家族を遺言執行者に指定した場合でも、その方が自分で手続きを行うことが難しければ、手続きの一部を専門家に依頼することも可能です。
⑥ 相続発生後の流れ
相続が発生すると、遺言執行者が遺言書に基づいて寄付を実行します。
寄付先の団体などが遺言者の想いを正式に受け取ったあとは、その団体などから寄付についての受領証や感謝状などを受け取ります。
遺贈寄付と税金の扱い
公益法人や認定NPO法人など、一定の団体への遺贈寄付は、相続税の課税対象から除外されることがあります。
ただし、寄付先が一般法人や個人の場合は課税対象になることもあります。
税金面の取り扱いは複雑なため、税理士と連携しながら進めると安心です。
遺贈寄付を成功させるためのポイント
- 寄付先を慎重に選ぶ
- 遺言書は公正証書で作成する
- 相続人への配慮を忘れない
- 専門家に相談しながら進める
これらを押さえておくことで、遺贈寄付は安心して実現できます。
エニシアでは、遺贈寄付を希望される方へ公正証書遺言の原案作成や財産目録の整理
などのサポートを行っています。
「遺言で寄付したい気持ちはあるけれど、どう書けばいいのか分からない」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。
▶ 生前対策
▶ 遺産手続
▶ 費用について














