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遺言のことを伝えるタイミング

2026/06/04

遺言のことを伝えるタイミング

こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。

 

遺言書を作ったあと、多くの方が悩まれるのが「家族にいつ伝えるべきか」という問題です。

遺言書は自分の意思を形にする大切な書類ですが、伝えるタイミングを誤ると、家族が戸惑ったり、誤解が生まれたりすることもあります。

 

この記事では、遺言の内容を家族に伝えるタイミングと、その際に気をつけたいポイントを、実務の視点からわかりやすくお話しします。

 

 

 

遺言書を「伝えるかどうか」は自由

まず押さえておきたいのは、遺言書を作ったあとに家族へ伝えるかどうかは、本人の自由だということです。

法律上、遺言書の存在を家族に知らせる義務はありません。

 

ただし、誰にも伝えずに亡くなってしまうと、遺言書が見つからず、せっかくの意思が実現されないこともあります。

特に自筆証書遺言の場合、保管場所を知られないままになると、開封されずに終わることもあります。

 

つまり、「伝えるかどうか」よりも、「伝えるタイミングと方法」が重要なのです。

 

 

 

遺言のことを伝えるタイミングは3つのパターン

遺言書の存在を家族に伝えるタイミングには、大きく分けて3つのパターンがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

 

① 作成前に話す:「遺言を作ろうと思っている」段階で伝える

遺言書を作る前に家族へ「遺言を作ろうと思っている」と伝える方法です。

家族の意見を聞きながら内容を検討できるため、後のトラブルを防ぎやすいというメリットがあります。

 

ただし、家族の意見に引きずられてしまうと、自分の本来の意思が薄れてしまうこともあります。

あくまで「相談」ではなく、「意思確認」として話すことが大切です。

 

 

② 作成後すぐに話す:「遺言を作った」と伝える

遺言書を作成した直後に家族へ伝える方法です。

内容を共有しておくことで、家族が安心し、後の誤解を防ぐことができます。

 

特に、財産の分け方に偏りがある場合や、特定の人に多く残す場合は、早めに伝えておくことで「なぜそうしたのか」という理由を説明できます。

付言事項(メッセージ)を添えておくと、より穏やかに受け止めてもらえるでしょう。

 

ただし、家族の中に不満を持つ人がいる場合は、感情的な反応が出ることもあります。

伝える際は、冷静に話せるタイミングを選びましょう。

 

 

③ 亡くなるまで伝えない:「遺言書の存在だけ知らせる」

遺言書の内容を生前に伝えず、亡くなった後に開封される形にする方法です。

家族間の感情的な衝突を避けたい場合に有効です。

 

ただし、遺言書の存在を誰も知らないままだと、見つからない可能性があります。

少なくとも「遺言書を作ってある」「法務局に保管してある」「行政書士に預けてある」など、存在だけは伝えておくことが大切です。

 

 

 

伝えるタイミングを誤ると起きるトラブル

遺言書を伝えるタイミングを誤ると、次のようなトラブルが起きることがあります。

 

 

・家族が「自分だけ除外された」と誤解する
・遺言書の内容に不満を持ち、感情的な対立が起きる
・遺言書が見つからず、遺産分割協議が混乱する
・遺言書の保管場所が不明で、開封できない

 

 

こうしたトラブルを防ぐためには、伝えるタイミングだけでなく、伝え方にも配慮が必要です。

 

 

 

遺言のことを伝えるときのポイント

① 「理由」を添えて話す

遺言書の内容を伝えるときは、「なぜそのようにしたのか」という理由を添えることが大切です。理由がわかるだけで、家族の受け止め方が大きく変わります。

 

たとえば、「介護をしてくれた長女に感謝して、少し多めに残した」「事業を継ぐ長男に会社の株を渡した」など、背景を説明することで納得感が生まれます。

 

 

② 感情的な場面を避ける

遺言の話は、感情が揺れやすいテーマです。

家族が疲れているときや、病気・介護の話題が重なっているときは避けましょう。

 

穏やかな雰囲気の中で、「自分の気持ちを整理しておきたい」という形で話すと、受け入れられやすくなります。

 

 

③ 第三者を交えて話す

行政書士や司法書士などの専門家を交えて話すことで、感情的な衝突を防ぎやすくなります。専門家が同席することで、家族も冷静に聞きやすくなります。

 

 

④ 「遺言書の保管場所」だけは必ず伝える

内容を伝えない場合でも、保管場所だけは必ず知らせておきましょう。

法務局の保管制度を利用している場合は、「法務局に預けてある」と伝えるだけで十分です。

 

 

遺言を伝えるタイミングの目安

 

・遺言書を作成した直後(内容を共有したい場合)
・家族の状況が落ち着いているとき
・介護や事業承継など、将来の話をするタイミング
・法務局保管制度を利用したとき(存在だけ伝える)

 

 

「今伝えるべきか」「まだ早いか」と迷うときは、家族の状況を見て判断するのが一番です。

焦って伝えるよりも、落ち着いた環境で話すほうが、家族の理解を得やすくなります。

 

 

遺言は「作ること」だけでなく「伝え方」も大切

遺言書は、自分の意思を家族へ伝える大切な手段です。

 

しかし、どれだけ丁寧に作っても、伝えるタイミングや方法を誤ると、家族が戸惑ったり、誤解が生まれたりすることがあります。

 

 

・作成前に相談する
・作成後に共有する
・亡くなるまで内容を伏せる(存在だけ伝える)

 

 

どの方法が正解というわけではありません。

大切なのは、家族の状況や関係性を踏まえて、「自分にとって最も穏やかに伝えられる方法」を選ぶことです。

 

 

行政書士法人エニシアでは、遺言書の作成だけでなく、家族への伝え方や保管方法についても丁寧にサポートしています。

 

 

どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

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