2026/08/28
相続開始日と相続開始を知った日
2026/08/28
相続開始日と相続開始を知った日
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
相続の話しになった際に、皆さん不安で、また気にすべき日付や期限の話題があります。
「相続放棄の期限はいつまで?」 「相続税の申告期限はいつから数えるの?」というものです。
実は、相続手続きの期限は2つの日付を正しく理解していないと、計算を間違えてしまうことがあります。
● 相続開始日(被相続人が亡くなった日)
● 相続開始を知った日(死亡を知り、自分が相続人と認識した日)
この2つは似ているようでまったく違う意味を持ち、手続きによってどちらを起算点にするかが変わります。
今回は、相続開始日と相続開始を知った日の違い、特別なケース、期限計算の注意点などについてお話しします。
相続開始日とは?|被相続人が亡くなった日
相続開始日とは、法律上「被相続人が死亡した日」のことです。
民法882条で「相続は死亡によって開始する」と定められています。
● 病気・老衰などの自然死亡 → 死亡診断書の死亡日が相続開始日
● 認定死亡(災害・事故で遺体が確認できない) → 戸籍に記載された死亡日
● 失踪宣告(行方不明) → 普通失踪は「7年経過した日」、特別失踪は「危難が去った日」
つまり、相続開始日は「死亡の事実が法律上確定した日」であり、相続人がその事実を知っているかどうかは関係がないということになります。
相続開始を知った日とは?|死亡を知り、自分が相続人と認識した日
他方、相続開始を知った日とは、
① 被相続人の死亡を知った日
② 自分が相続人であると認識した日
この2つを満たした日です。
そのため、相続人ごとに日付が異なることがあります。
例:疎遠な相続人の場合
父が10月1日に死亡。 疎遠だった子が、10月10日に親族から連絡を受けて初めて死亡を知った。
● 相続開始日:10月1日 ● 相続開始を知った日:10月10日(この子だけ)
このように、相続開始を知った日は「相続人ごとに違う」ことが大きなポイントです。
どの手続きがどちらを起算点にするの?
相続手続きの期限は、手続きによって起算点が異なります。
相続開始を知った日が起算点になる手続き
● 相続放棄:3か月以内
● 限定承認:3か月以内
● 準確定申告:4か月以内
● 相続税の申告:10か月以内
● 遺留分侵害額請求:1年以内(ただし10年で時効)
これらはすべて「相続開始を知った日」が起算点です。
相続開始日が基準になるもの
● 相続登記(2024年義務化):相続開始日から3年以内
相続登記は「死亡日=相続開始日」が基準になります。
相続開始日と相続開始を知った日がズレるケース
次のようなケースでは、2つの日付がズレるため注意が必要です。
① 疎遠で死亡を知るのが遅れた場合
死亡日と「知った日」がズレる典型例です。 この場合、相続放棄の期限は“知った日”から3か月です。
② 前順位の相続人が相続放棄した場合
子が相続放棄 → 親が相続人になるケース。
親は「子が放棄した事実を知った日」が起算点になります。
③ 失踪宣告の場合
普通失踪:7年経過した日が相続開始日 特別失踪:危難が去った日が相続開始日
ただし、相続開始を知った日は「失踪宣告の審判確定日」とされるため、起算点がさらにズレることになります。
期限計算で絶対に注意したいポイント
● 相続人ごとに起算点が違う
● 「死亡を知った日」と「相続人であると知った日」がズレることがある
● 相続放棄は“知った日”から3か月(初日は算入しない)
● 期限が土日祝の場合は翌営業日が期限
● 失踪宣告は「審判確定日」が起算点になることがある
特に、相続放棄の期限は非常に誤解が多く、死亡日から3か月と勘違いすることが非常に多いです。
期限を守るためには「2つの日付」を正しく理解することが必須
相続開始日と相続開始を知った日は、似ているようでまったく違う意味を持ちます。
● 相続開始日=被相続人が死亡した日(死亡診断書・戸籍)
● 相続開始を知った日=死亡を知り、自分が相続人と認識した日
相続放棄・限定承認・準確定申告・相続税申告など、期限のある手続きはすべて「相続開始を知った日」が起算点です。
疎遠な相続人、前順位の相続放棄、失踪宣告など、ズレが生じるケースも多いため、迷ったら必ず専門家へ相談することが重要です。
行政書士法人エニシアでは、相続開始日の確認から戸籍収集、遺産分割協議書の作成まで、皆様の相続の状況に合わせて丁寧にサポートしています。どうぞご相談ください。
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