2026/04/10
別々名義の土地・建物と相続
2026/04/10
別々名義の土地・建物と相続
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
相続のご相談を受けていると、
「土地は父名義、建物は母名義なんですが、相続のときどうなりますか」
「親の土地に私名義の家を建てているんですが、相続で問題になりますか」
というご質問をよくいただきます。
実は、土地と建物の名義が別々になっているケースは珍しくありません。しかし、この状態のまま相続が発生すると、思わぬトラブルにつながることもあります。
土地と建物は「別々の不動産」
法律上、土地と建物は別の不動産として扱われます。そのため、次のようなケースはよくあります。
- 親名義の土地に子が建物を建てた
- 夫名義の土地に妻名義の家が建っている
- 土地の相続登記をしないまま建物を建てた
- 借地に自分名義の建物を建てた
そして、普段は問題がなくても、相続が発生すると一気に複雑化することがあるのです。
名義が違うと相続で何が問題になる?
● 土地と建物の相続人が別々になる
土地は相続人全員の共有、建物は特定の相続人の単独所有という状態が起きやすくなります。
- 土地の利用や売却に相続人全員の同意が必要
- 建物所有者が自由に動けない
- 兄弟間で対立が起きやすい
● 売却が難しくなる
土地と建物の所有者が違うと、売却には双方の同意が必要です。
● 相続登記義務化でリスクが増える
2024年4月から相続登記が義務化され、今亡くなった方の不動産相続と、古くに亡くなった方の名義のまま放置していた不動産の相続とで、複数の登記義務が同時に発生することがあります。
ケース別の典型的な問題点
● 親の土地 × 子の建物
土地は相続人全員の共有となり、建物所有者(子)が単独で土地を相続できるわけではありません。
● 親子共有名義の建物 × 親名義の土地
親の持分だけ相続対象となり、不公平感が出やすいケースです。
● 相続登記をしないまま建物を建てた
過去の相続が未処理だと、祖父・曾祖父の相続人まで調査が必要になることがあります。
● 借地に建物があるケース
借地権が相続され、地主との交渉が必要になります。
名義が違うと起きるその他のトラブル
- 固定資産税の負担調整が必要
- 建物の解体費用を誰が負担するか揉める
- 住宅ローンの抵当権が土地に設定されている場合、相続人全員に影響
- 空き家特例(3,000万円控除)などの税制上の優遇制度が使えないことがある
基本的な解決方法
● 名義を統一する
土地所有者が建物を買う、建物所有者が土地を買う、第三者にまとめて売却するなどの方法があります。
● 共有状態を解消する
共有持分の買取、代償分割、売却して現金で分けるなどの方法があります。
● 相続時に権利関係を整理する
登記簿で現状を確認し、相続人を確定し、遺産分割協議で扱いを決めます。
これらは、すべてのケースで必ずどれがよいと決まるものではありませんが、個別の事情に応じて方針を考えていくことが大切です。
名義が違う状態は、先を見据えた早めの整理が安心
土地と建物の名義が違う状態は、相続や売却の場面で大きなトラブルの原因になります。
- 売却できない
- 相続人が増えて協議がまとまらない
- 税金面で不利になる
- 空き家特例が使えない
- 相続登記義務化で過料のリスク
行政書士法人エニシアでは、名義変更・遺産分割のサポートなど、状況に応じてトータルでお手伝いしています。
※登記については連携している司法書士とともに行います。
「土地と建物の名義がバラバラで将来大丈夫か心配」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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