2026/09/08
相続預貯金の分け方
2026/09/08
相続預貯金の分け方
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
相続でほとんどの方が避けて通れないのが、「預貯金をどう分けようか」という話題です。
不動産と違って預貯金は分けやすいように思えますが、実際には、
「複数の銀行口座がある」 「公平に分けたいが種類が複雑」 「銀行の手続きが難しい」
など、悩みが多い分野です。
今回は、預貯金の代表的な分け方、押さえたい注意点、銀行手続きなどについてお話しします。
預貯金は「遺産分割の対象」|相続人全員の合意が必要
以前は「預貯金は自動的に相続分で分かれる」とされていましたが、2016年の最高裁判決で考え方が変わり、預貯金は相続人全員の共有状態にあり、遺産分割協議で取得者を決める財産であると明確にされたのです。
そのため、相続人の一部が勝手に引き出すことはできず、銀行も協議書等がなければ払戻しには応じません。
預貯金の代表的な分け方
預貯金の分け方は、相続人全員の合意があれば柔軟に決められます。 実際によく使われる方法は次の4つです。
① 現物分割(口座ごとに分ける)
複数の口座がある場合、口座ごとに取得者を決める方法です。
例: ・A銀行の口座は長男 ・B銀行の口座は長女
シンプルですが、口座ごとに残高が異なるため、バランス調整が必要なことがあります。
② 換価分割(解約して現金で分ける)
口座を解約し、現金化してから割合どおりに分ける方法です。
公平性が高く、最も選ばれやすい方法といえるでしょう。
③ 代償分割(預貯金を一人が取得し、他の相続人へ代償金を払う)
特定の相続人が預貯金をまとめて取得し、他の相続人へ差額を支払う方法です。
不動産を誰かが単独で相続する場合などに、バランス調整としてよく使われます。
ただし協議書には「代償金として支払う」と明記しないと贈与税の対象になる可能性があるため注意が必要です。
④ 代表者が一括で受け取り、後から分配する方法
代表者が銀行で払戻しを受け、協議内容に沿って各相続人へ送金する方法です。
複数の銀行口座がある場合や、遠方の相続人がいる場合に便利です。
振込手数料の負担を誰が持つか、事前に決めておくとトラブル防止になります。
預貯金相続の流れ|口座凍結から払戻しまで
銀行での手続きは次のような流れで進みます。
※代表的な一例です
① 死亡の連絡 → 口座凍結
名義人の死亡を銀行に伝えると、口座は凍結されます。 公共料金の引落しも止まるため、支払方法の変更が必要です。
② 相続人の確定・協議書の作成
相続人全員で分け方を決め、協議書を作成します。
③ 必要書類の提出
銀行が求める書類は次のとおりです。
・被相続人の戸籍(出生〜死亡) ・相続人全員の戸籍 ・相続人全員の印鑑証明書 ・遺産分割協議書 ・通帳・キャッシュカード
銀行によって必要書類が異なるため、事前確認が重要です。
④ 払戻し・解約・分配
協議内容に沿って払戻しが行われ、各相続人へ分配します。
押さえておきたい注意点
■ 仮払い制度(最大150万円)
遺産分割前でも、相続人は1金融機関につき最大150万円まで払戻しが可能です。
葬儀費用や公共料金の支払いに利用できますので、うまく活用すれば立替金の負担を回避することでトラブル防止に役立ちます。
■ 端数をどうするか決めておく
割合で分ける場合、1円未満の端数が生じることがあります。 トラブル予防には「端数は長男が取得する」など、協議書に明記するとよいでしょう。
■ 名義預金に注意
被相続人の口座でも、実質的に誰かが管理していた場合は「名義預金」と判断されることがあります。 名義預金は遺産に含まれるため、注意が必要です。
預貯金の相続も、ポイントを押さえておけばスムーズに進めることができます。
行政書士法人エニシアでは、 預貯金の残高調査、遺産分割協議書の作成、銀行解約手続きのサポートなど、お客様の 状況に合わせて丁寧にお手伝いしています。
自分では手続きが難しい、時間が取れないから任せたい、という方はどうぞご相談ください。
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