2026/09/07
どうする、家じまい
2026/09/07
どうする、家じまい
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
「親が施設に入って実家が空き家になった」 「相続したけれど誰も住む予定がない」 「遠方で管理できず、放置してしまっている」
こうしたご相談は年々増えており、専門家の記事でも“家じまい”という言葉が定着しつつあります。
家じまいとは、誰も住まなくなった実家を整理し、売却・解体・賃貸などの方法で“家を手放す”までの一連のプロセスです。
単なる片付けではなく、相続・登記・税金・不動産の判断がすべて絡む複合的な作業であり、順番を間違えると余計な費用が発生することもあります。
今回は、家じまい(特に親が亡くなったことがきかっけになった場合)の正しい進め方、空き家放置のリスク、相続登記の義務化、費用の考え方などについてお話しします。
家じまいとは?|誰も住まなくなった実家の整理・処分
家じまいは、親が亡くなったり施設へ入居したことをきっかけに、誰も住まなくなった実家を整理し、最終的に手放すまでの一連の取り組みです。
特に親が亡くなったことをきっかけとなる場合には、家財の片付けだけでなく、
・相続人の確定
・遺産分割協議
・相続登記(名義変更)
・売却・解体
・賃貸の判断
・税金や行政手続き
まで含まれるため、思っている以上に広い範囲を扱う必要があります。
空き家を放置するとどうなる?|税金最大6倍・倒壊・近隣トラブル
家じまいを先送りにすると、空き家放置によるリスクが積み上がります。特に、次の4つのリスクは注意が必要です。
① 経済的リスク 固定資産税・都市計画税は毎年かかり続けます。 老朽化が進めば修繕費も増えます。
② 物理的リスク 管理が行き届かないと、倒壊・雨漏り・害虫・放火などの危険が高まります。
③ 社会的リスク 雑草やゴミの放置で近隣トラブルが発生しやすくなります。
④ 法的リスク 「特定空家」に指定されると行政指導が入り、固定資産税の優遇が外れて最大6倍になる可能性があります。 改善命令に従わない場合は過料(最大50万円)となることもあります。
空き家は“置いておくだけで負担が増える資産”であり、早めの判断が重要です。
家じまいの第一歩は「相続登記」|2024年から義務化
家じまいを進めるうえで最初に立ちはだかるのが相続登記(名義変更)です。
名義が亡くなった親のままでは、売却も解体も賃貸も進められません。
さらに、2024年4月から相続登記は義務化され、
不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記しなければ過料の対象となります。
放置すると、
・相続人が増えて話がまとまらない
・名義が複雑化して売却できない
・固定資産税の通知が届かない
・管理責任が曖昧になる
など、問題が雪だるま式に増えてしまいます。
片付け・解体を先に進めると損をすることがある
家じまいでは「まず片付けなきゃ」「古い家は壊さないと売れない」と考えがちですが、順番を間違えると余計な費用が発生することになるため要注意です。
・家財が残ったままでも売却できるケースがある
・解体すると固定資産税の住宅用地特例が外れ、税負担が増えることがある
・解体費用は200万〜300万円以上かかることもある
・残置物処分を買主が引き受ける場合もある
つまり、片付けや解体は「売却方針が固まってから」でも十分よいということです。
家じまいの出口|売却・解体・賃貸など5つの選択肢
家じまいの最終的な選択肢は、主に次の5つです。
① 仲介で売却
時間をかけて高く売りたい場合に向きます。
② 不動産会社へ買取
早く手放したい場合に有効。残置物があっても買い取る会社があります。
③ 解体して土地を売却
建物が老朽化している場合や、土地の価値が高い場合に選ばれます。
④ 賃貸として活用
立地が良く、建物の状態が保たれている場合に向きます。
⑤ 当面は保有して管理
ただし、固定資産税・管理費・劣化リスクが続くため、長期保有は慎重に判断が必要です。
家じまいの費用|20万〜400万円以上と幅広い
家じまいの費用は、家財の量・建物の状態・立地によって大きく変わります。
・家財整理:10万〜50万円
・不用品処分:5万〜30万円
・建物解体:200万〜300万円以上
・相続登記、測量、各種手続き:数万円〜20万円程度
以上はごく概算のイメージですが、自治体の解体補助金や不用品買取なども活用すると、費用を抑えられることがあります。
家じまいの正しい手順
あらためて整理すると、家じまいは、次の順番で進めるのが最もよいと言えるでしょう。
① 相続人の確定
戸籍を収集し、誰が相続人かを確定します。 遺言書の有無も確認します。
② 遺産分割協議
実家を誰が引き継ぐのか、売却するのか、共有にするのかを話し合います。
③ 相続登記(名義変更)
協議内容に基づき、実家の名義を相続人へ移します。
④ 実家の処分(売却・解体・賃貸)
名義が整ったら、売却・解体・賃貸などの選択肢を検討します。
家じまいは「順番」がすべて
このように家じまいは、感情的にも実務的にも負担の大きい作業ですが、 正しい順番で進めれば、無駄な費用やトラブルを避けることができます。
行政書士法人エニシアでは、 相続人調査、遺産分割協議書の作成、司法書士と連携した相続登記、グループ不動産会社での売却・家財整理の対応まで、 家じまいの全体を見据えたサポートを行っています。
お困りの方はどうぞご相談ください。
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