2026/08/26
公正証書遺言|公証人に出張してもらう!
2026/08/26
公正証書遺言|公証人に出張してもらう!
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
「遺言を作りたいけれど、公証役場まで行けない…」 高齢、病気、入院中、介護施設での生活など、外出が難しい方からこのご相談をいただくこともよくあります。
実は、公正証書遺言は公証人に出張してもらうことが可能です。 病院・施設・自宅など、遺言者がいる場所に公証人が来てくれるため、身体が不自由な方でも確実な遺言を残すことができます。
今回は、出張による公正証書遺言の仕組みや流れ、注意点など、押さえておきたいポイントについてお話しします。
公証人は出張可能|外出できなくても公正証書遺言は作れる
公正証書遺言は、公証役場で作成するのが原則ですが、次のような事情がある場合は公証人が出張して作成することが認められています。
● 病気やケガで外出が困難
● 入院中で病院外への移動が許可されない
● 介護施設で生活しており、移動が難しい
● 高齢で長距離移動ができない
出張作成の前に必ず確認すべき3つのこと
そして、入院中・施設・自宅で作成する場合、まず次の3点を確認する必要があります。
① 本人の意思が明確か(遺言能力)
遺言内容を理解し、自分の意思として説明できるかが重要です。
公証人は当日、遺言者に「今日は何月何日ですか?」「なぜこの人に財産を渡したいのですか?」など質問し、意思能力を確認します。
② 病院・施設が外部の立ち入りを許可するか
感染症対策などで面会制限がある場合、公証人や証人が入れないことがあります。 事前に医師・看護師・施設長へ必ず確認しましょう。
③ 時間的な余裕があるか
公証人の出張はすぐに予約できるとは限らず、1〜2か月かかることもあります。 体調や緊急性を踏まえ、早めの準備が必要です。
出張作成の準備|遺言内容の整理と必要書類
公証人に来てもらう前に、次の準備を進めます。
● 遺言内容の整理(メモでOK)
「誰に、何を、どれくらい」を簡単に書き出しておくと、打ち合わせがスムーズです。
● 財産資料の準備
不動産:登記事項証明書、固定資産評価証明書
預貯金:通帳コピー
証券:残高報告書
生命保険:保険証券
など
● 相続関係が分かる書類
・遺言者の戸籍謄本
・相続人の戸籍謄本
・受遺者(相続人以外)の住民票
など
● 証人2名の確保
推定相続人・未成年者は証人になれません。
自分で探せない場合、公証役場や専門家に相談することで依頼ができます。
公証人への出張依頼の流れ
出張作成は次のステップで進みます。
① 公証役場へ連絡し、出張希望を伝える
② 遺言内容の打ち合わせ(電話・メール・FAXで可能)
③ 必要書類を揃える
④ 出張日時を予約
⑤ 証人2名の予定を調整
⑥ 病院・施設の許可を取得
当日までに遺言内容を確定させておくことが重要です。 病室で内容を悩み始めると、作成が中止になることもあるので注意しましょう。
当日の流れ|読み上げ・署名・費用支払い
出張当日は、次のように進みます。
● 公証人が遺言者・証人の前で内容を読み上げる
● 内容に間違いがないか最終確認
● 遺言者・証人2名が署名押印
● 公証人が署名し、公正証書遺言が完成
● 正本・謄本を遺言者へ交付
● 手数料を支払い(現金)
出張費用の目安|通常より高くなる
出張作成は、通常の公正証書遺言より費用が高くなります。
● 基本手数料の5割増し(遺言加算)
例:通常5万円 → 出張時は約7.5万円
● 公証人の日当
・4時間以内:1万円 ・4時間超:2万円
● 交通費(実費)
タクシー代・公共交通機関の実費
合計すると、一般的には8〜10万円前後になることが多いです。
病院・施設・自宅で作成する際の注意点
● 病院の許可が必須(面会制限に注意)
● 個室や面談室などプライバシー確保が必要
● 証人2名の移動手配
● 遺言者の体調が安定する時間帯を選ぶ
● 認知症の疑いがある場合は医師の診断書の活用を検討する
外出できなくても「確実な遺言」は残せる
このように公正証書遺言は、公証人の出張制度を使えば、入院中・施設・自宅でも作成することできます。
ただし、いくら出張をしてもらえるとはいえ、事前準備をしっかりすることが遺言書作成の成否を左右することにかわりはありません。
行政書士法人エニシアでは、 遺言内容の整理、財産資料の準備、公証役場との調整、証人手配・当日の立会いまで、 出張による公正証書遺言の作成もトータルでサポートしています。
体に不自由がありお困りの方でも、どうぞお気軽にご相談ください。
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