2026/07/28
NISA・iDeCoの相続
2026/07/28
NISA・iDeCoの相続
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
近年、NISAやiDeCoを利用する方がとても増えています。
どちらも老後資金の準備としてとても有効な制度ですが、相続の話の中で「NISAは非課税だから相続税もかからないんですよね?」「iDeCoは家族がそのまま引き継げるんですか?」といった誤解が多いことに気づきます。
NISAもiDeCoも“相続の扱いは通常の金融資産と同じ”です。
非課税制度であっても、相続税の対象になりますし、家族がそのまま口座を引き継ぐことはできません。
制度ごとにルールが異なるため、正しく理解しておかないと、思わぬトラブルや損失につながることがあります。
今回は、そんなNISAとiDeCoの相続についてお話ししたいと思います。
NISAの相続|利益への非課税は“本人だけ”
NISAは「本人が投資している間の利益が非課税になる制度」であり、相続が発生すると非課税の扱いは終了します。
そして、家族がそのまま故人のNISA口座を引き継ぐことはできず、金融機関はNISA口座を閉鎖し、保有していた商品を相続人へ移管することになります。
なお、このときの移管先は相続人の課税口座(特定口座または一般口座)になります。
そのため相続後は通常の課税口座として扱われ、売却益には税金がかかります。
例えば、故人がNISAで投資していた株式を相続した場合、その株式の取得価額は「相続時点の時価」となります。相続後に値上がりして売却すれば課税されますし、値下がりして売却すれば損失になります。
また、NISA口座に現金が残っている場合も、非課税扱いは終了し、相続人の課税口座へ移されます。
NISAは相続税の対象になる
NISAは「投資利益が非課税」という制度ですが、相続税が非課税になるわけではありません。
相続税を考える際には、NISA口座の残高を時価で評価し、他の金融資産と同じように課税対象になります。
特に、成長投資枠で長期保有していた株式や投資信託は、相続時点で大きく値上がりしていることがあり、相続税の負担が増えることがあります。
相続税がかかる可能性があるご家庭では、NISAの残高も含めて早めに資産状況を把握しておくことが大切です。
iDeCoの相続|受取方法が“死亡給付金”に変わる
さて、次はiDeCo(個人型確定拠出年金)のお話しです。
iDeCoは、本人が老後のために積み立てる制度であり、相続が発生すると「死亡給付金」として遺族が受け取る仕組みになっています。
このため家族がそのままiDeCo口座を引き継ぐことはできません。
また、死亡給付金の受取順位は法律で決まっており、一般的には次の順番になります。
① 配偶者
② 子ども
③ 父母
④ 孫
⑤ 祖父母
⑥ その他の親族
ただし、加入者が「死亡時の受取人」を指定している場合は、その指定が優先されます。
iDeCoの死亡給付金|かかる税が“相続税”と、そうでない場合がある
iDeCoの死亡給付金は、受取人の続柄によって課税方法が変わる点に特徴があります。
● 配偶者・子どもなど法定相続人が受け取る場合
→ 相続税の対象になります。
● 法定相続人以外(兄弟・友人など)が受け取る場合
→ 所得税(退職所得扱い)になります。
一般的には、配偶者や子どもが受け取るケースが多いため、相続税の対象になると考えておくのがよいでしょう。
死亡給付金は“請求しないと受け取れない”
iDeCoの死亡給付金は、加入者が亡くなったからといって自動的に支給されるわけではありません。
遺族が金融機関(運営管理機関)に連絡し、必要書類を提出して「死亡給付金の請求」を行う必要があります。
請求に必要書類は金融機関によって異なりますが、一般的には次の書類の提出が求められます。
・死亡診断書または除籍謄本
・受取人の戸籍謄本
・受取人の本人確認書類
・金融機関所定の請求書類
なお、請求期限は「死亡から5年以内」とされているので注意が必要です。
期限を過ぎると給付金を受け取れなくなる可能性があるため、早めの手続きが必要です。
NISA・iDeCoの相続で起こりやすいトラブル
NISAやiDeCoは制度が複雑なため、相続の場面で次のようなトラブルがよくあります。
・家族がNISA口座を引き継げると思い込んでいた
・iDeCoの死亡給付金の請求を忘れ、期限が過ぎてしまった
・相続税の対象になることを知らず、申告漏れになった
・複数の金融機関に口座があり、手続きが煩雑になった
・受取人の指定が古く、家族の意向と合わない
特に、受取人の指定が古いまま放置されているケースは非常に多く、再婚や家族構成の変化によって相続人が「思いもしない人が受け取る」なんてこともあるあるです。
生前にできる対策がとても重要
NISA・iDeCoの相続でトラブルを防ぐためには、生前の準備が欠かせません。
まずは、iDeCoの「死亡時の受取人指定」を最新の状態にしておくことが重要です。
家族構成が変わった場合は必ず見直しましょう。
NISAについては、どの金融機関に口座があるのか、どの銘柄を保有しているのかを家族が把握できるようにしておくことが大切です。
相続の場面では、金融機関の情報が分からず手続きが進まないケースが非常に多いからです。
非課税制度でも相続の扱いは別。正しい理解が安心につながる
NISAもiDeCoも、本人が利用している間は大きなメリットがありますが、相続の場面では通常の金融資産と同じように扱われます。
非課税制度だからといって相続税が免除されるわけではなく、家族がそのまま口座を引き継ぐこともできません。
相続の負担を大きく減らすtあめ、制度ごとのルールは正しく理解しておきましょう。
行政書士法人エニシアでは、NISA・iDeCoの相続手続き、税理士と連携した相続税申告のサポートなど、ご家庭の状況に合わせて丁寧にサポートしています。
NISAやiDeCoがある相続でお困りの方、どうぞお気軽にご相談ください。
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