2026/07/06
遺言執行者を決めていないとどうなる?
2026/07/06
遺言執行者を決めていないとどうなる?
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
以前このBlog記事で「遺言執行者とは何か」をお伝えしましたが、今回はその続編として、遺言執行者を決めていない場合に起こるトラブルについて詳しくお話しいたします。
なんであれ遺言があればとにかく安心…と思われがちですが、実は遺言執行者がいない遺言書は、手続きが進まない・揉める・遺言が実現しないという問題が起こりやすいのです。
遺言執行者がいないとどうなる?
遺言執行者がいない場合、遺言の内容を実現するための手続きを原則として相続人全員で行う必要があります。
これが非常に大変で、次のようなトラブルが起こりやすくなります。
① 相続人の一人が反対すると手続きが止まる
遺言の内容が明確でも、相続人の一人が「納得できない」「協力したくない」と言えば、銀行手続き・不動産の名義変更・財産の引き渡しなどが進みません。
遺言執行者がいれば、相続人の同意がなくても手続きを進められます。
② 不動産の名義変更ができないケースがある
不動産の相続登記では、遺言執行者がいない場合、相続人全員の署名・押印・印鑑証明書が必要になります。
相続人が遠方に住んでいたり、連絡が取れなかったりすると、登記ができず、遺言の内容が宙に浮いてしまうことも。
③ 銀行手続きが進まない
銀行は、遺言執行者がいない場合、相続人全員の同意書や印鑑証明書を求めます。
そうすると、相続人の一人が協力しないだけで、預金の解約・名義変更ができないという事態が起こるのです。
④ 遺言の内容に不満がある相続人が“妨害”できてしまう
遺言の内容に不満がある相続人がいると、「書類を出さない」「連絡に応じない」などの行動で、遺言の実現を妨げることができてしまいます。
遺言執行者を定めていれば、こうした妨害を受けずに淡々と手続きを進められます。
⑤ 遺言書があるのに“しぶしぶ遺産分割協議”にしてしまうことも
遺言執行者がいない場合、遺言の内容が明確でも、原則として相続人全員の協力が得られないと遺言が実現できません。
その結果、遺言書があるのに遺産分割協議をやり直すという方法をとってしまう方が珍しくありません。
あとで遺言執行者を選べるが「家庭裁判所へ選任申立て」が必要
遺言執行者がいないまま手続きが進まない場合、家庭裁判所に「遺言執行者選任申立て」を行う方法をとることも可能です。
これは、遺言があるのに遺言執行者を定めていないばっかりに、相続人の一部が協力しない・連絡が取れない、このほか手続きが複雑で相続人では対応できないなどの場面で利用される制度です。
ただし、家庭裁判所への申立ては時間も手間もかかり相続人にとって大きな負担になります。 「遺言執行者を決めていなかったために、わざわざ家庭裁判所で申立てをしなければならなくなる」というのは、誰しも避けたいことだと思います。
こうしたリスクを避けるためにも、遺言書を作る段階で遺言執行者を指定しておくことがとても重要なのです。
遺言執行者がいない遺言書は「半分だけ完成した遺言」
遺言書は「書けば終わり」ではなく、実現できて初めて意味があります。
遺言執行者がいない遺言書は、例えるなら「半分だけ完成した遺言」。内容がどれだけ立派でも、スムーズに実現できなければ意味がありません。
特に、相続人同士の関係が複雑な場合や、財産が多い場合は必須と言えるでしょう。
遺言執行者を決めていない遺言書は”見直し”も検討すべき
遺言執行者がいない遺言書は、見直しも検討した方が良いというのが、この仕事をしていて強く思うことのひとつです。
遺言執行者を指定しておくのとそうでないのでは、遺言の実現性に大きく違いが出ます。
遺言書は「書けば安心」ではなく、実現できてこそ安心。
そのためには、遺言執行者の指定が欠かせません。
行政書士法人エニシアでは、遺言執行者の指定をした遺言書の作成から、すでに作成した遺言書の見直しまで、あなたのご家族の状況に合わせて丁寧にサポートいたします。
これから遺言書の作成を考える方も、一度作ったけれど見直しを考えたい方も、どうぞお気軽にご相談ください。
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