2026/07/31
農地と相続【後編】
2026/07/31
農地と相続【後編】
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
前回に引き続き農地と相続についてのお話しです。
前編では、農地の相続で必ず知っておきたい基本や農地法の仕組みについてお話ししました。
後編では、農地を相続した後の具体的な選択肢、農地を相続したくない場合の対処法などについてお話しいたします。
農地を相続した後の選択肢は大きく4つ
農地を相続した後に選べる方法は、大きく次の4つです。
① 農地として維持する
相続人が農業を続ける場合は、農地として維持することができます。農地法の許可は不要で、農業委員会への届出のみで済むことが多いです。
② 農地として貸す(農地の賃貸)
農地を貸す場合は、農業委員会の許可が必要です。借り手は農業者でなければならず、農地を農地として使うことが条件になります。
③ 農地を売却する
農地の売却は、農業委員会の許可が必要で、買い手も農業者である必要があります。農業振興地域内の農地は売却が難しいことがあります。
④ 農地を転用する(宅地・駐車場など)
農地を宅地や駐車場にするには「農地転用許可」が必要です。市街化区域内の農地は許可が得やすいですが、農業振興地域内の農地は許可がほぼ下りません。
農地の売却は「農業委員会の許可」が最大の壁
農地の売却は、一般の不動産売却とはまったく違います。
農地法3条により、農地を売却するには農業委員会の許可が必要で、買い手は農業者でなければなりません。
そのため、農地の売却は次の理由で難航することがあります。
・買い手が見つからない
・農業委員会の審査が厳しい
・農業振興地域内で売却が認められない
・農地の形状が悪く、農業に向かない
農地の売却を検討する場合は、早めに農業委員会や専門家に相談することが大切です。
農地の転用は「地域によって難易度が大きく違う」
農地を宅地や駐車場に転用するには、農地法4条・5条の許可が必要です。
転用の難易度は、農地の場所によって大きく変わります。
● 市街化区域内の農地
都市計画区域内の農地で、転用許可が比較的得やすい土地です。
● 市街化調整区域内の農地
原則として転用が難しく、許可が下りないことが多いです。
● 農業振興地域内の農地
農地を守るための地域に指定されており、転用許可はほぼ下りません。
農地の転用は、地域の都市計画や農業政策と密接に関係しているため、専門的な判断が必要になります。
農地の相続税評価は「宅地より低い」ことが多い
農地は、相続税の評価額が宅地より低くなることが多いです。
農地の評価は、次の方法で行われます。
● 農地の固定資産税評価額を基準にする
宅地より低い評価額になることが多いです。
● 農地の種類によって評価方法が変わる
田・畑・中間農地などで評価方法が異なります。
農地を相続したくない場合の対処法
農地を相続したくない場合は、次の方法があります。
● 相続放棄をする
農地を含めたすべての財産を放棄する方法です。
● 農地を他の相続人に相続してもらう
遺産分割協議で農地を誰が相続するか決めます。
● 農地を売却または賃貸する
農業委員会の許可が必要です。
農地は管理が必要なため、相続人が農業をしない場合、早めに対処法を検討することがキーになります。
農地の相続は、宅地や建物とはまったく違うルールで管理されているため、相続後の扱いがとても重要です。
そして、農地の売却・転用・賃貸には農業委員会の許可が必要で、地域によって難易度が大きく異なります。
農地を相続したら、まず農地の種類を確認し、農業委員会に相談することが安心につながります。
行政書士法人エニシアでは、農地の相続手続・遺産分割協議書の作成など丁寧にサポートしています。
お困りの方はどうぞお気軽にご相談ください。
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