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自筆遺言の失敗例

2026/08/31

自筆遺言の失敗例

こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。

 

「自筆で遺言を書いたから安心」 そう思っていたのに、いざ相続が始まると遺言が使えない・無効になる・相続人同士が揉めるというケースは驚くほど多くあります。

それは、自筆証書遺言は手軽に作れる一方で、法律上の方式が厳格で、少しのミスが致命的になってしまうからです。

 

今回は、自筆遺言の失敗例について、どうすれば防げるのかというところまでお話ししたいと思います。

 

 

 

① 日付が不完全・曖昧で無効になる

自筆遺言の失敗で最も多いのが日付の不備です。

 

 

●「令和◯年◯月吉日」

●「2026年春」

●年月だけで日が書かれていない

 

 

これらは無効になる可能性が極めて高いと専門家が警告しています。

日付は「遺言の最新性」を判断するための必須要件。複数の遺言が見つかったとき、日付が曖昧だとどれが有効か判断できず、遺言全体が無効扱いになることもあります。

 

 

 

② 署名・押印の欠落

署名と押印は、自筆遺言の絶対要件です。

 

 

●署名はあるが押印がない

●苗字だけ書いている

●スタンプのような印影

 

 

これらは「本人の遺言と証明できない」とされ、無効になる可能性があります。

 

 

 

③ 全文自書でない(代筆・パソコン印字)

自筆証書遺言は全文を自書することが原則です。

 

 

●家族が代筆した

●本文をパソコンで作成した

●音声・動画で意思を残した

 

 

これらは方式違反で無効になります。 現在は財産目録のみパソコン作成が可能ですが、本文まで印字すると無効です。

 

 

 

④ 不動産の記載が不正確で相続登記できない

不動産は「住所」ではなく登記事項証明書の表示で特定します。

 

 

●「札幌市の自宅」

●「実家の土地」

●地番・家屋番号の記載漏れ

 

 

これらは不動産を特定できず、相続登記ができません。土地と建物の登記が別なのに片方しか書かれていないケースも多く、登記が止まり、相続人が追加協議を迫られることになります。

 

 

 

⑤ 財産の特定不足(預貯金・証券など)

金融資産は「銀行名・支店名・口座番号」まで書かないと特定できません。

 

 

●「銀行預金の全部を長男へ」 → 投資信託・国債には効力が及ばない(別途遺産分割が必要)

●「証券口座の資産を次男へ」 → 証券会社名・口座番号がないと手続きが進まない

 

 

財産の特定不足は、遺言が「使えない遺言」になる典型例です。

 

 

 

⑥ 曖昧な表現で相続人が揉める

自筆遺言は感情で書きやすいため、曖昧な表現が多くなりがちです。

 

 

●「家は長男に任せる」

●「預金はみんなで仲良く分ける」

●「面倒を見てくれた子に多く渡す」

 

 

これらは法律上の意味が不明確で、相続人同士の解釈が分かれてしまいます。 

 

 

 

⑦ 偏った内容で不公平感が生まれる

自筆遺言は、自分の手書きで作成するため「特定の相続人に多く渡したい」という気持ちが強く出やすい方式です。

 

 

●長男に全財産

●介護した子に大半

●配偶者に何も残さない

 

 

これらはケースによっては遺留分侵害額請求の対象となるリスクがあり、争いの原因になります。

それでもどうしても偏った分け方にしたい場合は、付言事項で理由を書いておくと、トラブル予防に役立てることができます。

 

 

 

⑧ 遺言書が見つからない・紛失される

自筆遺言は自宅保管が多く、次のリスクがあります。

 

 

●発見されない

●存在を隠される

●紛失・破棄される

 

 

実際に「数年後に遺言書が見つかった」という例もあります。

こうしたことを防ぐには、今は法務局の保管制度を使うようにすると、紛失リスクを大幅に減らすことができます。

 

 

 

⑨ 複数の遺言書が見つかり、どれが有効か揉める

自筆遺言は書き直しが簡単なため、複数の遺言が見つかることもあります。

 

 

●古い遺言と新しい遺言が両方ある

●一部だけ修正した遺言がある

●下書きのようなメモが出てくる

 

 

この場合、「どれが最新か」「どこまで有効か」で争いになります。

 

 

 

失敗を防ぐためのポイント

このような失敗をできるだけ防ぐためには、次のようなことを厳守することが基本的なポイントになります。

 

 

● 法的要件(全文自書・日付・署名押印)を必ず確認する

● 不動産は登記事項証明書どおりに記載する

● 預貯金・証券は口座番号まで書く

● 曖昧な表現を避ける

● 偏った内容には理由を付言事項で補足する

● 法務局保管制度を活用する

 

 

 

自筆遺言は“書けるけれど、失敗しやすい”

自筆遺言は費用がかからず手軽ですが、

 

 

●形式不備で無効

●内容が曖昧で揉める

●財産の特定不足で使えない

●不動産登記が進まない

●遺言能力が争われる

 

 

など、失敗が多くなってしまいがち。

 

「書いたから安心」ではなく、 “使える遺言になっているか”がに注意しすることがもっと重要です。

 

 

行政書士法人エニシアでは、 自筆遺言のチェック、相続人予定者の確認、財産目録の整理のほか、公正証書遺言の作成支援まで、お客様のご希望と状況にあわせた遺言づくりを丁寧にサポートしています。

 

どうぞお気軽にご相談ください。

 

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