2026/07/15
仲の悪い相続人と連絡がつかない!どうなる相続?!
2026/07/15
仲の悪い相続人と連絡がつかない!どうなる相続?!
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
相続のご相談でとても多いのが、「兄弟と仲が悪くて連絡が取れない」「前妻の子と何十年も会っていない」「相続人の一人が音信不通でどう進めればいいの?」というお悩みです。
相続人の一人でも連絡がつかないと遺産分割協議は成立せず、相続手続きは止まります。
民法上、遺産分割は相続人全員の参加と同意が必須とされているからです。
ただし、永久に止まったままになってしまうではありません。
法律には「前に進めるための方法」がきちんと用意されています。
なぜ連絡がつかないと相続が進まないの?
遺産分割協議は相続人全員の同意が必須です。1人でも連絡がつかない・返事がない状態では協議が成立しないため、預貯金の解約、不動産の名義変更、相続税申告などが進みません。
相続税申告が遅れれば延滞税が発生し、相続登記の義務化により3年以内に登記できないと過料のリスクもあります。
まず最初にやるべき「所在調査」
戸籍・住民票・戸籍の附票を使って住所を確認します。
戸籍の附票には住所の履歴が記録されているため、現在の住所が判明する可能性があります。
住所がわかったら、普通郵便や簡易書留で連絡し、返事がなければ内容証明郵便で再度送付します。
内容証明は後に家庭裁判所の調停をすることになる場合に証拠になります。
所在は判明しているのに返事がない場合
住所はわかっているのに連絡が取れない場合、「反対していない=同意している」とみなすことはできません。
あくまでも協議は成立しないため、次のステップへ進みます。
家庭裁判所へ「遺産分割調停」を申し立てる
調停を申し立てると、裁判所から連絡の取れない相続人宛に呼出状が届きます。
これをきっかけに連絡が取れるケースもあります。
それでも出頭しない場合は調停が不成立となり、「審判」という手続きに移行します。
審判では裁判所が遺産分割内容を決定するため、連絡が取れない相続人がいても相続は前に進みます。
住所がわからない・所在不明の場合
所在調査をしても住所がわからない場合は、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てます。
不在者財産管理人は行方不明者の代理人として遺産分割協議に参加します。
ただし、行方不明者の法定相続分を確保する内容でなければ同意できない点に注意が必要です。
生死不明が7年以上の場合:失踪宣告
行方不明が7年以上続いている場合は、家庭裁判所に失踪宣告を申し立てることができます。
失踪宣告が認められると法律上「死亡したもの」と扱われ、残りの相続人で遺産分割が進められます。
ただし、子がいる場合は代襲相続が発生します。
遺言書がある場合はどうなる?
遺言書がある場合は、遺言の内容に従って手続きが進むため、遺産分割協議は不要です。
連絡がつかない相続人がいても問題ありません。
実際に起こりやすいトラブル
遺産分割協議ができないせいで
・相続税申告が期限に間に合わず延滞税が発生
・相続登記ができず過料のリスク
・不動産の管理ができず近隣トラブル
・他の相続人同士の関係悪化
・音信不通の相続人が突然現れ協議がやり直しになる
といったトラブルに発展してしまうことが実際ほんとうによくあります。
生前のうちにできる対策
生前のうちにこうしたトラブルを回避するためには、遺言書を作成しておくことが最も有効です。
遺言があれば遺産分割協議が不要になり、連絡がつかない相続人がいても手続きが進められるからです。
相続は「連絡がつかない人がいる」だけで止まってしまいますが、法律の手続きを踏めば必ず前に進めることができます。
行政書士法人エニシアでは、必要に応じて司法書士や弁護士とも連携し、行方がわからない相続人の所在調査やその後の調停申立てについても状況に合わせて丁寧にサポートしています。
また、トラブル防止のための遺言書作成などもお力になりますのでお困りの方はぜひご相談ください。
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