2026/08/05
タンス預金
2026/08/05
タンス預金
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
相続のご相談を受けていると、「家のどこかに現金があるらしい」「親がタンス預金をしていたようだが、正確な金額が分からない」「タンス預金なら税務署にバレないのでは?」という声をよく耳にします。
タンス預金は、銀行口座のように記録が残らないため、相続の場面で誤解やトラブルが起こりやすい財産です。
しかし、タンス預金も預貯金と同じく相続財産であり、相続税の課税対象になります。
そして、記録がないからこそ、税務署が重点的に調査する財産でもあります。
今回は、タンス預金が相続で問題になりやすい理由、メリット・デメリット、見つかった場合の対処法などについてお話しします。
タンス預金とは?
タンス預金とは、銀行などの金融機関に預けず、自宅で保管している現金のことです。
名前から「タンスの中」をイメージしがちですが、実際には金庫、引き出し、仏壇、押し入れ、屋根裏など、どこに保管されていてもタンス預金と呼ばれます。
高齢の方は「いつでも使える安心感」から現金を自宅に置くことが多く、葬儀費用や急な支出に備えて一定額を手元に置いているご家庭も少なくありません。
タンス預金自体は法律で禁止されているわけではなく、自由に保管できます。
しかし、相続の場面では「どこに保管していたか」よりも“誰の財産だったか”が重要です。
被相続人が生前に所有していた現金であれば、銀行に預けていなくても、れっきとした相続財産として扱われます。
相続で問題になりやすい理由
タンス預金が相続で問題になる最大の理由は、記録が残らないことです。
預貯金であれば通帳や取引履歴から客観的に把握できますが、現金は裏付けがないため、存在や金額を正確に確認することが難しくなります。
その結果、相続人ごとに認識が異なり、「現金はなかった」「確かにあったはずだ」といった主張の対立が生じやすくなります。
特に同居していた家族が管理していた場合は、使途や保管状況をめぐって疑念が生じることもあります。
また、タンス預金は遺産分割の前に一部の相続人が使ってしまうリスクもあり、後から説明が難しくなるケースもあります。
こうした事情から、タンス預金は相続人間のトラブルや税務上の問題につながりやすい財産といえます。
相続税の課税対象になる
タンス預金は、銀行口座の預金と同じく相続税の課税対象です。
記録がないからといって申告しなくてよいわけではありません。相続税は「被相続人が亡くなった時点で所有していた財産」に課税されるため、現金も当然含まれます。
ときどき「現金は記録がないから申告しなくてもバレないのでは?」という誤解がありますが、これは非常に危険です。
税務署は、預金の出金履歴や収入状況、家族名義口座への資金移動などから、タンス預金の存在を把握することができます。
実際、税務調査で申告漏れとして指摘される財産の中で、現金は非常に多いそうです。
メリットとデメリット
タンス預金には、相続税対策としてのメリットはありませんが、日常生活の中では一定の利便性があります。
例えば、急な支出にすぐ対応できることや、銀行の営業時間に左右されないことなどは、タンス預金のメリットといえます。
一方で、デメリットは非常に多く、特に相続の場面では大きなリスクになります。
災害や盗難で失われる可能性があること、保管場所を忘れてしまうこと、相続人間のトラブルにつながりやすいことなどが代表的です。
タンス預金は「便利さ」と「リスク」が表裏一体の財産であり、相続の場面では慎重な扱いが求められます。
相続後に見つかった場合の対処法
相続後時間がたってから、例えば相続税の申告後にタンス預金が見つかることも珍しくありません。
その場合は、速やかに相続人間で共有し、財産目録に追加したうえで、必要に応じて税理士とも相談し修正申告を行う必要があります。
見つかった現金を「誰のものか分からない」と曖昧にしたままにすると、後から税務署に指摘される可能性が高くなります。
タンス預金は、発見した時点での状況を記録し、相続人全員で確認することが大切です。
“記録がない財産”だからこそ、丁寧な扱いを
タンス預金は、銀行に預けていない現金であるため、記録が残らず、相続の場面で最もトラブルになりやすい財産です。
相続税の課税対象であり、税務署は複数の情報を組み合わせて把握するため、隠し通すことはほぼ不可能です。
相続の場面では、タンス預金を「見えない財産」として扱うのではなく、他の財産と同じように丁寧に確認し、相続人間で共有することが大切です。
行政書士法人エニシアでは、タンス預金の扱い、財産目録の作成など、税理士とも連携し、状況に合わせて丁寧にサポートしています。
どうぞお気軽にご相談ください。
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