2025/12/01
スタッフBlog|遺留分 -私だってもらう権利あるでしょ-
2025/12/01
スタッフBlog|遺留分 -私だってもらう権利あるでしょ-
こんにちは。行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
前回のお話の最後、「遺留分」という法律用語に少し触れました。
今回は、この「遺留分」のことをお話しします。
さっそく本題に入りたいところですが、まずは前提となる相続の基本的なポイントを押さえて、それから本題へ移りましょう。
基本ポイント その1【相続人の範囲】
人が亡くなったときに、その遺産を引き継ぐ人を「相続人」といい、相続人になる親族は民法で定められています。これを法定相続人といいますが、亡くなった方を基準にその範囲を示すと以下のようになります。
<1>配偶者 ※常に相続人になります。
<2>配偶者以外の人 ※相続人になる順序があり、配偶者とともに次の要領で相続人になります。
◆第1順位 子供
◆第2順位 直系尊属(父母や祖父母など)
※第1順位の人がいないときに相続人になります。
◆第3順位 兄弟姉妹
※第1順位、第2順位の人がいないときに相続人になります。
基本ポイント その2【法定相続分】
亡くなった人が遺言をのこしていて遺産の処分が定まっているときには、その内容によって「誰がいくら遺産を相続するか」が決まります。他方、遺言による指定がないときは、目安となる相続割合が民法で定められていて、これを法定相続分といいます。
そして、相続人各人の法定相続分は前述のポイントその1で決まった相続人の範囲によって、割合が異なります(次表参照)。

※なお、相続人の間で遺産の分割方法について分割協議が成立すれば、遺言や法定相続分と異なる相続にすることは可能です。
【遺留分】
さて、以上の2つの基本ポイントをベースに、ここからは本題話に入ります。
今回の主役の「遺留分」は、法律上、法定相続人に認められている「相続できる財産の最低保障額の権利」です。
先ほどの表の右側が、誰が相続人となるかに応じた相続人の遺留分の一覧になっています。また、実際の遺留分の金額は、「相続財産の価額」に表に記載の「遺留分割合」をかけることで算出します。
遺留分の金額 = 相続財産の価額 × 遺留分の割合
遺留分の趣旨は、相続人の生活を保障すること、自分は遺産の相続を受けられるであろうという相続人が期待を守ることであるため、亡くなった方から特定の相続人などに対して遺贈や生前贈与があって別の相続人の遺留分の侵害があった場合、侵害された相続人は、遺贈や生前贈与を受けた人に対して、自分の遺留分を請求することができる制度になっています。
このため、遺産をのこす側の目線に立つと「自分の財産を自由に処分したい」という希望はやまやまですが、遺留分に注意を払わないと相続人が後々思わぬトラブルに巻き込まれるリスクが高くなってしまうため注意が必要なのです。
・遺産配分に偏りがある遺言をする
・生前に一部の相続人だけに贈与をしている
などは、財産を受けた方と他の相続人がもめてしまう遺留分トラブルの典型です。
ほかにも、財産のうち不動産の割合がほとんどというケースは要注意。
・相続人となる方の一部が、不動産のある地元には住んでいない
・不動産の代わりに分配する十分な現金の用意がない
・遺す側にも遺される側にも使い道のない不動産が多数ある
これらの事情も重なってくることで、争いになってしまうリスクが高くなってしまうのです。
もちろん、普段から遺産について相続する側・される側のコミュニケーションが日常的にきちんととれていたり、分割方法の予定についても関係当事者が納得できるような話し合いが十分にできていたりしている場合には、形のうえで遺留分の侵害が生じる分け方であったとしてもトラブルにつながることは少なくなります。
争いにならないために
最も理想なのは、一方的な願望ではなくお互いのコミュニケーションがとれていること。次いで、将来分割の障害になりそうなものは売却などで整理がつけてあること、そして、分割に備えた現金を不足なく用意してあることが肝心と言えます。また、話し合いをしておくだけでなく、それを遺言という形にしておくことも有効です。
その際、あらかじめ残される側に内容を共有しておくことはもちろん、遺言の中に分割方法だけではなく、なぜそのような分割方法にしたのかという理由や想いもメッセージとして記載しておく、というような工夫をすることもトラブル予防には大きな助けになるでしょう。
ポイントを押さえてトラブルの懸念はできるだけなくし、相続に関わる皆さんが安心して円満な相続が迎えられると幸いです。














