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スタッフBlog|連帯保証人と相続

2025/12/16

スタッフBlog|連帯保証人と相続

こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。

 

相続では「プラスの財産だけではなく、マイナスの財産も引継ぐ対象になる」という話があります。

 

あたり前のこととしてご存じの方も多いですが、この中の”マイナスの財産”という言い方は少し曖昧で、「え、それも引き継がなきゃいけないの?!」というものがあったりします。

 

今回は、そんな相続の際に見落とされがちなポイントのひとつである「連帯保証人」についてお話ししていきたいと思います。

 

 

連帯保証人とは

最も一般的な例。

 

金融機関からお金を借りる際、「連帯保証人」を求められることがあります。

 

もし亡くなった方が誰かの連帯保証人になっていた場合、その相続人となった人は連帯保証人の義務を引き継ぐことになります。

 

 

ところで連帯保証人とは、どのような責任を負っているのでしょうか。

 

連帯保証人は、借主と同等の立場で貸主に対して返済の義務を負います。

 

法律上、「借主本人に先に請求してくれ」とか「他の保証人に請求してくれよ」といった主張をすることが認められないため、文字通り借主と全く同じであると言え、その責任は非常に重いものになっているのです。

 

 

連帯保証人の責任も引き継がれる

もし、亡くなった方が連帯保証人になっていた場合は、プラスの財産だけではなく、この連帯保証人としての重い責任もマイナスの財産として、法定相続分に応じて相続人に引き継がれることになります。

 

※なお、プラスの財産(預貯金など)が、相続人同士の協議で誰がどのように取得するか自由に決められる一方で、マイナスの財産(借金や連帯保証人の責任)は、誰が引き継ぐことにするかを相続人側だけで決めても一方的に変更することはできず、債権者との協議・交渉が必要になります。

 

このため、相続の場面では、亡くなった方が連帯保証人になっていないか、特に注意する必要があるのです。

 

 

連帯保証の調べ方

連帯保証について、生前に話を聞けておければそれに越したことはありませんが、そうでない方が少なくありません。

 

亡くなった方が連帯保証人になっていないかを調べるには、以下のような方法があります。

 

 

①契約書や郵便物
2005年4月から、個人が連帯保証人になる場合は書面によらなければ無効とされおり、それより前の契約であっても、書面が作成されていることが多いです。請求書などの書類が保存されていることもあるので、見逃さないようにしましょう。

 

②預貯金の入出金履歴
銀行などの通帳や入出金の記録を一覧し、日常と異なる履歴がないか注意深く見てみましょう。

 

よく分からない振込先への送金記録などは、貸主へ送金したものかもしれません。

 

③PCやスマホ
現代では、メールやメッセージの通信履歴も手紙などの郵便物と同じくらい重要です。

 

契約書が保存されていたり、請求書がデータでやり取りされていたりすることもあります。

 

④信用情報機関
信用情報機関とは、銀行・クレジット会社・貸金業者が加盟する機関で、JICC(株式会社日本信用情報機構)、CIC(株式会社シー・アイ・シー)、KSC(全国銀行個人信用情報センター)の3つがあります。

 

これらの機関は顧客の契約情報や取引履歴情報などを保有している機関ですが、亡くなった方の情報開示を請求をすることで、連帯保証人になっていたとわかることがあります。

 

いずれの方法も、どこまで調査を行うかは亡くなった方その人それぞれですが、故人がどのような生活をしていたかに応じて行うのが私は良いと思います。

 

 

賃貸借契約を忘れないで

連帯保証が登場するのは、なにも借金の場面だけではありません。

 

借主が法人であるか個人であるかを問わず、誰かが不動産を借りる際には通常連帯保証がセットになります。

 

連帯保証人が亡くなるまでに賃貸借契約に関して生じた債務は、連帯保証人の相続人が支払義務を引き継ぐことになりますので、借金同様、見落としてはいけません。

 

また、会社の事業で借りている不動産があり、その代表者が連帯保証人になることも多くあります。

 

代表者の方が亡くなったケースでは、相続人の方はより注意深くなる必要があるでしょう。

 

 

身元保証人は?

連帯保証に類似するもので、身元保証というものがあります。

 

身元保証とは、例えば、会社に雇われた人が債務不履行や不法行為によって雇用主へ損害を生じさせた場合の賠償債務を、その雇われた本人に代わり保証する、というような契約をいいます。

 

結論から言うと、身元保証人としての地位は、相続の対象外となります。

 

これは、身元保証人と保証される側の個人的な信頼関係が非常に重視される契約であるため、特別な事情がない限り、相続人に引き継がせることになじまないと考えられているからです。

 

ただし、注意点が一つ。

 

身元保証人が亡くなる前に既に何らかの損害が発生しており、身元保証人が具体的な損害賠償債務を負っている場合については、その具体的な金額はマイナスの財産として相続人に相続されます。

 

連帯保証とは異なるものですが、同じように注意しておきたいところです。

 

 

連帯保証が見つかったらどうする

故人の連帯保証が判明した場合、選択肢はふたつあります。

 

 

 ■連帯保証のリスク込みで相続する

 ■相続放棄をして連帯保証の責任も免れる

 

 

どちらを選択する場合も、プラスの財産と他のマイナス財産もひっくるめた全体の財産とのバランスを考えることが重要です。

 

連帯保証に関していえば、借主(主債務者)のこれまでの返済実績、今後の返済能力の有無なども大切な判断材料になるでしょう。

 

※なお、相続の放棄は、相続があったことを知ってから3か月以内家庭裁判所で手続きをする必要があります。

また、相続人同士の分割協議の中で、「私は放棄するから」と言うだけでは相続放棄を行ったことにはならず、マイナス財産の責任を回避することができませんので十分ご注意ください。

 

 

今回は、相続と連帯保証についてお話しました。

 

最後に少し触れた相続放棄については、判断までに時間的なゆとりがある制度には残念ながらなっていません。

 

もし、故人の持ち物を整理していて、少しでも不安がよぎったときはすぐに専門家を頼るようにしましょう。

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