2025/12/25
スタッフBlog|相続欠格 -都合の悪い遺言書なんて、隠しちゃえ?!-
2025/12/25
スタッフBlog|相続欠格 -都合の悪い遺言書なんて、隠しちゃえ?!-
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
今回も相続にまつわるお話をしたいと思います。
テーマは「相続欠格(そうぞく けっかく)」です。
あまり耳にしたことのない言葉かもしれませんね。
欠格というと”資格を欠くこと”という意味ですが、相続の欠格とはどういうことか。
続けて少し掘り下げていきましょう。
相続欠格とは
本来相続人になれる人であっても、相続人となるのにふさわしくない行動をしてしまうと、その人は相続人としての資格をはく奪される、ということが民法の中に定められています。
これを「相続欠格」といい、また、相続人にふさわしくない行動のことを「相続欠格事由」といいます。
そして、この相続欠格事由に該当する行動をとった相続人は、相続人として被相続人の財産を受け取ることができなくなってしまうのです。
隠匿、どうなる?!
今回のサブタイトルで、”都合の悪い遺言書を隠す”と書きました。さて、これを相続人がやってしまった場合はどうなるでしょうか。
民法では、「相続に関する被相続人の遺言書について、隠匿(いんとく)した者」は、上記のふさわしくない行動(相続欠格事由)をした者に該当すると定められています(891条5号)。
このため、いくら自分にとって都合の悪い内容が書いてあるからと言って遺言書を隠してしまうと、”相続に関して不当な利益を目的として遺言書を隠した”ということになり、その結果、隠した本人は相続人になることができなくなります。
もし、遺言書の内容が、(納得いかないまでも)少しはもらえる内容だったというような場合でも、相続人でなくなってしまうことで、結果、”一切もらえない”となるのです。
でも遺留分あるんじゃないの?
相続に少し詳しい方は、それでも「遺留分」(相続人が受け取れる最低限の権利として民法で定められているもの)があるから、もらえないことはないのでは、と思うかもしれません。
しかしながら、遺留分は、相続人であるからこそ認められる権利とされているため、相続人としての資格を失ってしまった人は、この遺留分の権利も失ってしまいます。
欠格者の子も欠格者?
相続欠格に該当する人が相続人となる資格を失っても、その該当する人に子供がいる場合、子供は代わりに遺産を相続することができます(代襲相続といいます)。
あくまでも、相続人としての資格を失うのは、欠格事由に該当する行為を行った本人のみ。その子供には資格喪失の効果は及びません。
その他の該当行為
遺言書を隠すこと以外には、どのような行為が相続欠格に該当するでしょうか。
以下に挙げておきます。
- 遺言書を、偽造した・改ざんした・破棄した
- 詐欺や脅迫を行うことで、被相続人の遺言を誘導した・妨害した
- 被相続人や他の相続人等を故意に殺害した(しようとした)罪で刑に処せられた
- 被相続人が殺害され、その犯人を知りながら告発等をしなかった
下に行くほど穏やかならぬ話になっていますが、例えば遺産目当てでこうした行為を行った場合でも”ほかの相続人と同じように相続できる”とするのは社会的に不適切、と考えるのが法律。これが、相続欠格が定められている理由です。
あなたはどうしますか
もしあなたの見つけた誰かの遺言が、自分に不利益な内容だったとしても、決して故意に隠してはいけないということが今回お分かりいただけたと思います。
こういう場面に遭遇したとしても、不適切にもほどがある、と言われないよう自分を律しなければいけませんね。
他方、遺言を遺す側の立場の方も、作った遺言書がかえってそれを見た相続人のトラブルを招いてしまった、ということにならないようにすることが大切です。いざ作るときには、よくよく考慮・配慮するようにしましょう。
非常に悩ましいとおもいますが、ひとりでうまく思いつかないときは、専門家を巻き込んで一緒に考えるのも一つです。














