2025/12/15
スタッフBlog|土地の相続税評価減の特例
2025/12/15
スタッフBlog|土地の相続税評価減の特例
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
相続が発生した時、相続財産のなかに土地が含まれていることって、一般的に非常によくあることだと思います。自宅の底地、事業用に使っていた土地など、亡くなった方の生前の生活スタイルによって所有の形も実に様々です。
今回は、こうした土地の相続の場面で節税対策としてよく利用されている税制上の特例制度についてご紹介したいと思います。
小規模宅地等の特例 -最大で80%減額-
土地は財産としては一般的に高額なものです。
日本の税制では、相続財産の相続税評価額が高額であれば、支払う必要のある相続税もそれに対応して高額になるというルールになっています。
ところが、土地に関するルールには特例があり、これを使うと土地の相続税評価額は最大で80%減額した金額とすることができます。
仮に、特例を使わない相続税評価額が1億円の土地を例にとると、特例を使えれば評価額は2000万円。
これは大きな違いです。土地の相続税評価額が下がれば、すなわち相続税の負担がその分軽減されることになりますから知っておかない手はありません。
このような特例が設けられているのは背景があります。
亡くなった方が、住んだり事業をしたり、生活の基盤にしていた土地なのに、その全てに相続税が満額かかる制度にしてしまうと、相続人がいくら引き継いで住んだり事業をしたくても、相続税の支払いのためにその土地を失ってしまうのでは恐いですよね。
相続人がそのような状況に追い込まれてしまうのは酷ですから、一程度の土地については特例を認め、配偶者や同居の子供などが相続後も住み続けたりしやすい制度にしよう、ということになったのです。
特例適用の要件
土地を相続したすべてのケースで特例を使えると嬉しいですが、あくまでも特例のためそうはいきません。
では、どのような要件を満たせば特例を使えるでしょうか。代表的なケースをご紹介します。
故人が”居住用にしていた”宅地等
最もわかり易い例をあげると「親の住んでいた自宅の土地」。
これが今回の特例が最も利用されるケースです。
この場合は、次の要件のどれかを満たすことで特例の利用が可能になります。
■配偶者が取得する
■故人と同居している親族が取得する
※ただし、相続税の申告期限まで引続き所有・居住していることが必要
■故人と同居していない親族が取得する
※ただし、以下の①②③の事情をすべて満たしてることが必要
①故人に「配偶者」、「同居している法定相続人」のどちらもいない
②取得親族は、亡くなった方が死亡するまでの3年間に、「亡くなった方・亡くなった方と関係が深い方(配偶者、三親等内の親族、特別の関係がある一定の法人)」の所有する家屋に居住したことがない
③取得親族が故人の死亡時点で居住している家は、取得親族が過去所有していたものではない
特例の適用例
特例が適用になる場合、80%まで評価額を減額することができます。
ただし、減額できるのは面積330㎡までの部分という限度付きです。このため超過面積分については減額対象外となります。
【例】
土地の相続税評価額:3,500万円
地積:350㎡
特例適用による減額:▲2,310万円(3,500万円×330㎡÷400㎡×80%)
こんな場合もあきらめないで
特例の利用を考える際に見落としがちなのが、故人が老人ホームに移り住んでいたケース。
もう本人が住んでいなかったからとあきらめてしまうのはちょっと早計かもしれません。
もし老人ホームに移り住んでいた場合でも、実は次のような理由さえあれば、特例の適用は受けることが可能なのです。
・故人が要介護または要支援等の認定を受けている
・入居した老人ホームが特別養護老人ホーム等である
・老人ホームに入居した後、自宅を貸出していない
・老人ホームに入居した後、他人に居住用で使用させていない
※他人には、”故人と生計を一にしていた親族”は含みません
いつかの相談への下地
今回ご紹介した特例も、故人が”事業用”にしていた宅地等の場合にも利用できる関連制度があったり、相続時精算課税制度で土地を贈与した場合には使うことができなくなったりしてしまう盲点など、相続にまつわる税制度は特例や例外が非常に多く複雑で、専門家への相談は常にかかせません。
餅は餅屋という言葉があり、専門家への丸投げもやり方の一つですが、一方で、今回のような基本的な部分をまずはとっかかりとして知っておき、他に適用が受けられる可能性がないかなど、いざ専門家と相談するときに密なコミュニケーションをとるためのベースとしておくのも私は良いと思っています。
なにごとも下地作りは大切にしたいものです。














