2026/02/25
シリーズ「空き家と相続」第2回
2026/02/25
シリーズ「空き家と相続」第2回
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
シリーズ「空き家と相続」の第2回です。
前回は、相続した空き家を放置すると何が起きるのか、そして最初に考えるべきポイントについてお話ししました。
今回は、
「相続した空き家を、具体的にどうするか?」
代表的な選択肢と、それぞれのメリット・デメリット、判断のポイントについてお話しいたします。
空き家の扱いは、
・売る
・貸す
・リフォームして使う
・解体する
・そのまま保有する
など、選択肢が多い分、迷いやすいテーマです。
しかし、どの選択肢にも「向いているケース」「向いていないケース」があります。
あなたの家庭にとって最適な方向性を探していきましょう。
選択肢①:売却する
相続した空き家の扱いとして、もっとも多いのが「売却」です。
◆ 売却が向いているケース
・相続人の誰も住む予定がない
・維持管理の負担を減らしたい
・固定資産税をこれ以上払いたくない
・老朽化が進んでいて、リフォーム費用が高額になりそう
◆ 売却のメリット
・維持費・管理の負担がゼロになる
・まとまった現金が手に入る
・相続人同士で分けやすい(現金化されるため)
・老朽化によるリスクを早期に解消できる
◆ 売却のデメリット
・思い出の家がなくなる寂しさ
・市場価値が低い地域では売れにくい
・解体が必要な場合、費用がかかる
特に札幌では、
・冬の管理が大変
・雪害リスクがある
・老朽化が早い
といった理由から、まずは売却を検討するご家庭が多い印象です。
売却を考える際は、
「不動産会社の査定を複数とる」
ことがとても大切です。
同じ物件でも、査定額が数百万円変わることは珍しくありません。
ただし、「金額が一番高いから選ぶ」のが良いとは限らないのでご注意。
仕事欲しさに高い金額を言っていないかなど、その不動産会社の担当者と、どういう根拠やどのような考えでその査定額を出しているのか、納得いくまでコミュニケーションがとれていることが一番重要です。
選択肢②:賃貸として活用する(収益化)
「売るのは抵抗がある」「思い出の家を残したい」という場合、賃貸として活用する方法もあります。
◆ 賃貸が向いているケース
・建物の状態が比較的良い
・立地が良く、需要がある地域
・売却するほどの価値はないが、壊すのはもったいない
◆ 賃貸のメリット
・家賃収入が得られる
・建物を維持しながら活用できる
・売却よりも心理的ハードルが低い
◆ 賃貸のデメリット
・リフォーム費用がかかることが多い
・入居者トラブルのリスク
・管理会社との契約が必要
・空室期間は収入がゼロ
特に札幌では、
・冬の暖房設備
・断熱性能
・水道凍結対策
など、賃貸に出すためのハードルが道外よりも一段高いことに特徴があります。
賃貸を検討する場合は、
「初期費用(リフォーム費用)と家賃収入のバランス」
をしっかり(厳しめに)見極めること、これが最も重要です。
選択肢③:リフォームして使う(自分や家族が住む)
「せっかく相続した家だから、家族で住みたい」という方もいます。
◆ リフォームして住むメリット
・思い出の家を残せる
・新築より費用を抑えられる可能性
・家族の拠点として活用できる
◆ デメリット
・老朽化が進んでいると費用が高額になる
・耐震性、断熱性の問題がある場合も
・立地が生活圏に合わないことも多い
特に北海道の住宅は、
・断熱性能
・暖房設備
・水回りの凍結対策
が重要で、古い家ほど大規模なリフォームが必要になることがあります。
「住む」という選択肢は魅力的ですが、
“リフォーム費用が新築並みになる”
というケースもあるため、慎重な判断が必要です。
選択肢④:解体して土地として売る
建物の老朽化が進んでいる場合、
「解体して更地にして売る」
という選択肢もあります。
◆ この選択が向いているケース
・建物が古く、リフォーム費用が高額
・買い手がつきにくい地域
・土地としての価値が高い
◆ メリット
・売却しやすくなる
・倒壊などの老朽化リスクをゼロにできる
・近隣トラブルの心配がなくなる
◆ デメリット
・解体費用がかかる(建物の延床面積に応じて、数百万円~が目安)
・更地にすると底地の固定資産税が上がる
選択肢⑤:そのまま保有する(ただし慎重に)
「今は決められないから、とりあえず保有しておく」という選択もあります。
しかし、この選択肢には注意が必要です。
◆ メリット
・気持ちの整理がつくまで時間を確保できる
・家族で話し合う余裕ができる
◆ デメリット
・固定資産税がかかり続ける
・老朽化が進む
・管理の手間が増える
・状況悪化し将来の売却が難しくなる
「保有する」という選択は、
“期限を決めて保有する”
という形にすると、後悔が少なくなります。
例:
「1年以内に売却か賃貸かを決める」
「冬を越してから判断する」
このように、期限を決めて動くことで、空き家の放置リスクを減らすことができます。
“感情”と“現実”のバランス
第2回では、相続した空き家の代表的な選択肢についてお話ししました。
空き家の扱いは、
「思い出」と「現実」のバランスをどう取るかが大切です。
次回の第3回では、
「空き家と相続の手続き」
について、
・相続登記の義務化
・名義変更の流れ
・売却や賃貸に必要な書類
・相続人が多い場合の注意点
など、詳しくお話ししていきます。
行政書士法人エニシアでは、
・空き家の相続手続き ※登記手続きは司法書士と連携して行います
・グループ不動産会社との連携
・空き家の活用相談
などを幅広くサポートしています。
「相続した家をどうするか迷っている」「家族で話し合いが進まない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
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