2026/11/05
いとこに相続権はあるの?
2026/11/05
いとこに相続権はあるの?
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
「自分の親族はいとこくらいしかいないのですが、いとこは遺産を受け取ることはできますか?」
「独身で子どももいないいとこが亡くなった場合、その財産は誰が相続するのでしょうか?」
このような疑問を持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
親族である以上、いとこ同士にも血縁関係があります。しかし、法律上の相続では、血縁関係があれば誰でも相続人になれるわけではありません。
いとこは原則として法定相続人ではないため、いとこであるというだけでは遺産を相続できないのです。
ただし、遺言書が残されている場合や、特別縁故者として認められる場合など、財産を受け取れる可能性もあります。
今回は、いとこに相続権があるのか、遺産を受け取れるケースや注意点についてお話しします。
いとこは法定相続人ではない
まず、民法で定められている法定相続人の範囲を確認しましょう。
まず、亡くなった方の配偶者は常に相続人となります。
次に、配偶者以外の親族については、次のように相続順位が定められています。
第1順位:子ども(子どもが先に亡くなっている場合は孫など)
第2順位:父母・祖父母などの直系尊属
第3順位:兄弟姉妹(先に亡くなっている場合はその子ども)
このように、法定相続人になれる親族の範囲は限定されています。
いとこは、このいずれにも該当しないため、原則として法定相続人にはなりません。
兄弟姉妹の子どもなら相続できる場合がある
ここで注意したいのが、代襲相続との違いです。
例えば、亡くなった方に子どもがおらず、両親や祖父母も既に亡くなっている場合、兄弟姉妹が第3順位の相続人になります。
その兄弟姉妹が、亡くなった方より先に亡くなっていた場合には、その兄弟姉妹の子ども、つまり甥や姪が代わりに相続することがあります。
しかし、いとこはこの代襲相続の対象にはなりません。
例えば、亡くなった方の兄弟姉妹の子どもは甥・姪ですが、亡くなった方の親の兄弟姉妹の子どもが、いとこにあたります。
いとこは、兄弟姉妹の子どもではないため、代襲相続人にはならないのです。
「ほかに親族がいないから」「長年付き合いがあったから」という理由だけで、いとこが法定相続人になるわけではないことを知っておきましょう。
いとこが遺産を受け取れる3つのケース
いとこは原則として法定相続人ではありませんが、次のような場合には、財産を受け取れる可能性があります。
① 遺言書によって財産を遺贈してもらう
いとこに財産を残したい場合に、最も確実性の高い方法のひとつが遺言書を作成しておくことです。
例えば、身寄りのない方が、自分の財産を日頃から親しく付き合っているいとこに残したいと考えている場合、遺言書に「いとこである〇〇に自宅と預貯金を遺贈する」といった内容を記載しておくことができます。
法定相続人ではないいとこであっても、遺言によって財産を受け取ることができます。このように、相続人以外の人に遺言で財産を渡すことを「遺贈」といいます。
ただし、遺言書を作成する際には、ほかの相続人の遺留分にも注意が必要です。例えば、亡くなった方に子どもや配偶者など遺留分を持つ相続人がいる場合、遺言の内容によっては、遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。
② 養子縁組をしている
もうひとつのケースは、亡くなった方といとこの間で養子縁組をしている場合です。
養子縁組をすると、法律上の親子関係が生じます。そのため、いとこであっても、養子縁組をしていれば、法律上は子どもとして第1順位の法定相続人になります。
例えば、子どもがいない方が、親しくしているいとこを養子にしていた場合、そのいとこは養親の相続人となる可能性があります。
ただし、養子縁組は単に相続のためだけに行うものではありません。法律上の親子関係が生じるため、扶養義務など、相続以外の法律関係にも影響します。養子縁組を検討する場合には、その効果を十分に理解しておく必要があります。
③ 特別縁故者として認められる
遺言書がなく、養子縁組もしていない場合でも、特別縁故者として認められれば、いとこが財産を受け取れる可能性があります。
特別縁故者とは、法定相続人ではないものの、亡くなった方と特別な関係にあった人のことです。
民法では、次のような人が特別縁故者に該当する可能性があるとされています。
・亡くなった方と生計を同じくしていた人
・亡くなった方の療養看護に努めた人
・その他、亡くなった方と特別の縁故があった人
例えば、いとこ同士で長年同居していた場合や、身寄りのないいとこの生活を継続的に支援し、病気になった際にも献身的に介護していた場合などは、特別縁故者として認められる可能性があります。
ただし、単に親族であるというだけでは足りません。また、葬儀を行ったことや、亡くなった後に一時的に手続きを手伝ったことだけで、必ず認められるわけでもありません。
特別縁故者に該当するかどうかは、亡くなった方との関係や、生前の交流、生活支援や療養看護の実態などを踏まえて、家庭裁判所が判断します。
いとこが財産を受け取った場合、相続税はどうなる?
いとこが遺言による遺贈や特別縁故者への財産分与によって財産を受け取った場合、相続税が課税されることがあります。
特に注意したいのが、相続税の「2割加算」です。
相続税では、財産を取得した人が、亡くなった方の配偶者や一親等の血族などに該当しない場合、原則として、その人の相続税額に20%相当額が加算されます。
いとこは通常、この対象に該当するため、遺贈などによって財産を取得した場合には、相続税の2割加算が適用されることがあります。
また、特別縁故者として財産分与を受けた場合にも、相続税の課税対象となることがあります。
財産を受け取れるかどうかだけでなく、税金がどの程度かかるのかも事前に確認しておくことが大切です。
身寄りのないいとこがいる場合、生前にできる対策
身寄りのないいとこがいて、自分が亡くなった後の財産の行き先を心配している場合には、生前のうちに対策をしておくことをおすすめします。
遺言書を作成して財産の行き先を決めておく
いとこに財産を残したい場合には、遺言書を作成しておくことが有効です。
遺言書がなければ、いとこは原則として法定相続人になれず、特別縁故者として認められるかどうかも分かりません。
一方、遺言書を作成しておけば、いとこに財産を遺贈する意思を明確にすることができます。
特に、身寄りがなく、いとこ以外に財産を残したい人がいない場合には、遺言書によって財産の行き先を決めておくことが重要です。
財産や希望を整理し、信頼できる人に伝えておく
遺言書を作成するだけでなく、預貯金や不動産などの財産を整理し、どこに何があるのかを分かるようにしておくことも大切です。
また、遺言書を作成したことや、遺言執行者を誰に指定したのかなど、必要な情報を信頼できる人に伝えておくと、亡くなった後の手続きが進めやすくなります。
遺言書の内容を実現するために、遺言執行者を指定しておくことも検討しましょう。
このように、いとこは、血縁関係がある親族ではありますが、原則として法定相続人にはなりません。
そのため、いとこが亡くなった場合、親族であるというだけでは遺産を相続することはできません。
ただし、遺言書による遺贈、養子縁組、特別縁故者への財産分与などによって、財産を受け取れる場合があります。
特に、身寄りのない方が、日頃から親しく付き合っているいとこに財産を残したいと考えている場合には、特別縁故者として認められることを期待するよりも、生前に遺言書を作成しておくことが大切です。
行政書士法人エニシアでは、遺言書の作成サポートや相続人の調査、遺産手続きに関するご相談など、状況に合わせて丁寧にサポートしています。
親族に財産を残したい方や、身寄りのない親族の相続について不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
どうぞお気軽にご相談ください。
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