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【シリーズ|後見制度②】任意後見制度のしくみと活用法

2026/01/14

【シリーズ|後見制度②】任意後見制度のしくみと活用法

こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。

 

前回は、後見制度の全体像と「法定後見(成年後見・保佐・補助)」について解説しました。

 

第2回となる今回は、近年注目が高まっている 任意後見制度 を中心に取り上げます。

 

任意後見は、本人が元気なうちに「将来の備え」として契約しておく制度です。
法定後見とは異なり、本人の意思を最大限尊重できる点が大きな特徴です。

 

ここからは、任意後見の仕組み、メリット・デメリット、実務での活用例、そして財産管理契約との違いまで、分かりやすく解説します。

 

 

任意後見制度とは?

任意後見制度は、本人の判断能力がしっかりしているうちに「将来、判断能力が低下したときに備えて」後見人を選んでおく制度です。

 

任意後見制度のポイント

 

・ 本人が元気なうちに契約する
・契約は公正証書で作成
・実際に後見が始まるのは、判断能力が低下し、家庭裁判所が任意後見監督人を選任してから
・本人の意思を最大限尊重できる

 

法定後見は「すでに判断能力が低下している場合」に利用する制度ですが、任意後見は「将来に備える制度」である点が大きな違いです。

 

 

 

任意後見契約でできること

任意後見契約では、将来、後見人に任せたい内容を自由に決めることができます。

 

任せられる内容の例

 

・預貯金の管理
・年金・保険の手続き
・介護サービスの契約
・施設入所の手続き
・医療費の支払い
・不動産の管理
・公共料金の支払い
・日常生活のサポート

 

法定後見と違い、任意後見は「契約内容を自由に設計できる」点が大きな魅力です。

 

 

 

任意後見が発効するまでの流れ

任意後見契約を結んだだけでは、後見は始まりません。

実際に後見がスタートするには、次のステップが必要です。

 

任意後見開始までの流れ

 

・本人が元気なうちに任意後見契約を結ぶ
・本人の判断能力が低下する
・家庭裁判所に「任意後見監督人選任」の申立て
・任意後見監督人が選任される
・任意後見がスタート

 

任意後見監督人は、後見人の業務をチェックする役割を持ちます。
これにより、後見人による不正を防ぎ、本人の権利を守る仕組みが整っています。

 

 

 

 

任意後見のメリット

任意後見には、法定後見にはない大きなメリットがあります。

 

① 本人の意思を最大限尊重できる
任意後見は、本人が元気なうちに「誰に」「何を」任せるかを決められます。
これは法定後見にはない大きな利点です。

 

・信頼できる家族に任せたい
・専門職に任せたい
・財産管理はAさん、生活支援はBさんに任せたい
・自宅は売らないでほしい
・ペットの世話を続けてほしい

 

こうした細かい希望も契約に盛り込むことができます。

 

② 家族の負担を軽減できる
任意後見契約を結んでおくことで、家族が「どうすればいいのか分からない」という状況を避けられます。

 

・銀行手続き
・介護サービスの契約
・施設入所の手続き
・医療費の支払い

 

これらをスムーズに進められるため、家族の精神的・時間的負担が大きく減ります。

 

③ 財産管理の透明性が高い
任意後見監督人がつくため、後見人による不正を防ぎやすい仕組みになっています。

 

・財産の使い込み防止
・契約内容のチェック
・家庭裁判所への報告

 

家族間のトラブルを避けたい場合にも有効です。

 

 

 

任意後見のデメリット(注意点)

任意後見契約は「将来の備え」ですが、実務上は次の契約とセットで利用されることも多いです。

 

財産管理契約(判断能力があるうちの財産管理)

これは、本人が元気なうちから財産管理を任せる契約です。

 

できることの例

 

・銀行手続き
・公共料金の支払い
・医療費の支払い
・日常的な財産管理

 

任意後見が発動する前からサポートできるため、「今すぐ助けてほしい」というニーズに応えられます。

 

2つを組み合わせることで、「元気なうち → 判断能力が低下した後」まで切れ目なく支援できる体制が整います。

 

 

 

よくある任意後見の活用例

任意後見を活用している例としては、次のようなケースがよくあります。

 

 

①一人暮らしの高齢者が将来に備えたい

 

・認知症の不安がある
・財産管理を任せたい
・施設入所の手続きをスムーズにしたい

 

任意後見+財産管理契約のセットが有効です。

 

②子どもに迷惑をかけたくない

 

・子どもが忙しい
・家族に負担をかけたくない
・専門職に任せたい

 

任意後見契約で専門職を指定するケースが増えています。

 

③家族間のトラブルを避けたい

 

・相続人同士の関係が微妙
・財産管理をめぐる不安がある
・公平性を保ちたい

 

任意後見監督人がつくため、透明性の高い管理ができます。

 

 

 


任意後見契約の作り方(手続きの流れ)

任意後見契約は、公正証書で作成します。

 

手続きの流れ

 

・行政書士・司法書士などに相談
・契約内容の設計
・公証役場で任意後見契約を作成
・必要に応じて見守り契約・財産管理契約も締結
・将来、判断能力が低下したら家庭裁判所に申立て
・任意後見監督人が選任され、後見開始

 

 

次回は、後見制度の中でも意外と知られていない

 

・未成年後見
・後見監督人
・家族が後見人になる場合の注意点
・制度利用の落とし穴

 

などを取り上げます。

 

 

後見制度を総合的に理解するための重要なテーマなので、ぜひ続けて読んでいただければと思います。

 

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