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未受領年金と相続

2026/09/15

未受領年金と相続

こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。

 

相続の際の話題の中では、「親が亡くなった後に年金が振り込まれていた。これは遺産になるの?」というのもあります。

 

年金は偶数月に2か月分まとめて支給される仕組みのため、受給者が亡くなると、「まだ支払われていない年金」が残ることがよくあります。

これが未受領年金(未支給年金)です。

 

一見すると「亡くなった人が受け取るはずだったお金」なので遺産のように思えますが、法律上はまったく別の扱いになります。

今回は、未受領年金の仕組み、誰が受け取れるのか、などについてお話ししたいと思います。

 

 

 

未受領年金とは|年金の“後払い”が生む未払い分

公的年金は後払いの仕組みで支給されます。

偶数月の15日に、前月と前々月の年金がまとめて振り込まれるため、受給者が亡くなった時点で、すでに発生しているのにまだ支払われていない年金が必ず残ります。

例えば、4月10日に亡くなった場合、2月分・3月分の年金はまだ支払われていません。

また、亡くなった月の年金(4月分)も支給対象であり、これらが未受領年金となります。

 

 

 

未受領年金は相続財産ではない|遺族の“固有の権利”として支給される

未受領年金は、亡くなった方の財産を相続人が引き継ぐ仕組みではありません。

法律が、一定の遺族に対して「自己の名で請求できる固有の権利」を認めている特別な給付であるため、未受領年金請求権は相続税の課税対象にならないと国も明確に示しています。

つまり、未受領年金は遺産分割の対象ではなく、相続人同士で分ける必要もありません。

請求した人がそのまま受け取るべきものとされているのです。

 

 

 

誰が受け取れるのか|相続人とは別の“法律上の順位”

未受領年金を受け取れる人は、民法の相続人とは別の基準で決まります。

請求できるのは、亡くなった方と生計を同じくしていた遺族であり、順位は法律で定められています。

 

配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、そして三親等内の親族までが対象となり、この順番で請求権が認められます。

 

ここで重要なのは、相続人であっても生計同一でなければ請求できない場合があること、逆に相続放棄した人でも生計同一であれば請求できることです。

未受領年金は相続財産ではないため、相続放棄の効力は直接及びません。

 

 

 

未受領年金の請求手続き|自動的には振り込まれない

未受領年金は、請求しなければ支払われません。

年金事務所で「未支給年金・未支払給付金請求書」を提出する必要があります。

 

また、請求期限は5年で、これを過ぎると時効により受け取れなくなります。

葬儀や相続手続きで慌ただしい時期ですが、早めの確認が大切です。

 

 

 

未受領年金は相続税の対象外|ただし所得税の“一時所得”になる

また、未受領年金は「遺族の固有の権利」であり、相続財産ではないため、相続税の課税対象にはなりません。

ただし、受け取った遺族の側では所得税の一時所得として扱われることに注意が必要です。

他の一時所得と合算して50万円を超える場合は確定申告が必要になりますので、必要な方は税理士とも相談することが重要です。

 

 

 

未受領年金で起こりやすい誤解とトラブル

未受領年金は遺産ではないにもかかわらず、相続人同士で「分けるべきだ」と主張が出ることがあります。

しかし、法律上は分ける必要はなく、請求した人が単独で受け取る仕組みです。

また、「生計同一」の判断をめぐって争いになることもあります。

別居していても仕送りがあれば生計同一と認められることがあり、逆に同居していても生活費を完全に別にしていた場合は生計同一と認められないことがあります。

迷った場合は年金事務所で確認したり、社労士に相談するとよいでしょう。

 

 

 

未受領年金は“遺族の固有の給付”。相続とは別の制度として理解する

このように未受領年金は、亡くなった方の財産ではなく、遺族の生活を支えるために法律が特別に認めた給付です。

相続財産ではないため遺産分割の対象にならず、相続税もかかりません。

ただし、受け取った遺族の側では一時所得として扱われるため、金額によっては確定申告が必要になることがあるため必要に応じて税理士にも相談するのが良いでしょう。また、請求期限は5年であり、請求しなければ受け取れない点にも注意が必要です。

相続手続きでは、預貯金や不動産だけでなく、このような周辺的な制度が思わぬ混乱を招くことがあります。

未受領年金の仕組みを正しく理解しておくことで、相続全体をスムーズに進めるための大きな助けになれば幸いです。

 

 

行政書士法人エニシアでは、遺産の相続手続き以外にも、グループ社労士と連携した未受領年金の請求サポートまでお客様のご要望状況に合わせて丁寧にお手伝いしています。

 

お困りの方はどうぞお気軽にご相談ください。

 

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