2026/09/14
老老相続|今の時代の相続問題
2026/09/14
老老相続|今の時代の相続問題
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
相続のご相談を受けていると、ここ数年で特に増えていると実感するケースがあります。それが「老老相続」です。
親が90代まで長生きし、相続人となる子どもも70代・80代というケースは、今や珍しいものではありません。
かつては「働き盛りの子が親の財産を引き継ぐ」というイメージが一般的でしたが、現代の相続はまったく違う様相を見せています。
高齢の親から高齢の子へ財産が移るという構造は、手続き面でも心理面でも負担が大きく、通常の相続とは異なる課題が生まれます。
今回は、老老相続で起こりやすい問題と、その対策についてお話ししたいと思います。
老老相続とは何か
老老相続とは、被相続人である親も高齢、相続人となる子どもも高齢という状態で発生する相続のことをあらわした言葉です。
平均寿命が延びたことで、親が亡くなる時点で子どもがすでに70代・80代という状況が一般化していることが背景ですが、最大の特徴は、相続人自身が「相続手続きを進める体力・判断力に不安を抱えている」という点です。
相続は、戸籍収集、金融機関の手続き、不動産の名義変更など、想像以上に細かい作業の連続です。
高齢の相続人にとって、これらは大きな負担となります。
老老相続で起こりやすい問題
老老相続では、相続人が高齢であること自体が、手続きの難しさやトラブルの原因になります。
判断能力の低下で遺産分割協議が進まない
相続人の中に認知症や軽度の認知機能低下があると、遺産分割協議が進まなくなることがあります。
遺産分割は相続人全員の合意が必要ですが、判断能力が不十分な場合は有効な意思表示ができません。
このような場合には、家庭裁判所で成年後見人を選任する必要があります。
後見人が選ばれるまで数ヶ月かかることもあり、その間は相続手続きが完全に止まってしまいます。
後見人が就任した後も、柔軟な協議が難しくなることがあり、相続全体が長期化する傾向があります。
相続手続きそのものが身体的に負担になる
相続では、金融機関や役所へ出向く場面が多くあります。
出生から死亡までの戸籍や相続人全員の戸籍を集める作業は、体力的にも精神的にも負担が大きいものです。
また、相続人が入院中、施設入所中、遠方在住といった状況では、書類の確認や押印だけでも時間がかかり、手続きが進まないことがあります。
数次相続が起こりやすい
老老相続では、一次相続の手続きが終わる前に相続人が亡くなり、次の相続が発生することがあります。これを数次相続と呼びます。
数次相続が起こると、相続人の範囲が広がり、関係者が増え、遺産分割協議は一気に複雑化します。
名義変更が途中のまま次の相続が重なると、財産関係が整理できず、家族の負担はさらに大きくなります。
老老相続を避けるためにできること
このように様々なリスクがある老老相続ですが、事前の準備によっては、大きく将来の負担を減らすことができます。
遺言書を早めに作成する
遺言書があるだけで、残された方の相続の難易度は大きく下がります。
遺産分割協議を行わずに手続きを進められるため、相続人の判断能力が低下していても、遺言書の内容に沿って財産を分けることができます。
特に老老相続では、非常に有効な方法だと言えます。
財産の棚卸しと記録をしておく
預貯金、不動産、保険、証券など、財産の所在がわからないことが相続の混乱を招きます。
高齢の親が管理している財産は、家族が把握していないことも多く、相続人が高齢の場合は調査そのものが負担になります。
生前のうちに財産の一覧を作っておくだけで、相続時の負担は大幅に減ります。
民事信託や任意後見を検討する
判断能力の低下が心配な場合には、家族信託や任意後見を使うことで、財産管理を柔軟に進めることもできます。
特に民事信託は、財産の管理権限を家族に移しつつ、本人の生活を守る仕組みとしても有効です。
老老相続は“準備の有無”で負担が大きく変わる
老老相続は、親も子も高齢であることから、通常の相続とは違う負担が生まれます。
判断能力の問題、手続きの長期化、数次相続、財産管理の困難など、どれも家族にとって大きなストレスとなります。
しかし、生前の準備を進めておけば、これらの負担は確実に軽減できます。
遺言書の作成、財産の棚卸し、家族との話し合い、信託や後見制度の検討など、どうすることが自分たちにとって一番良いかぜひ考えてみて欲しいと思います。
行政書士法人エニシアでは、老老相続を見据えた生前対策、遺言書作成、財産整理、家族信託、相続手続きまで、状況に合わせて丁寧にサポートしています。
どうぞお気軽にご相談ください。
▶ 生前対策
▶ 遺産手続














