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暦年贈与と贈与契約書

2026/07/29

暦年贈与と贈与契約書

こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。

 

相続の話になった際に「毎年110万円までなら贈与税がかからないって聞いたけれど、金額だけ注意してれば大丈夫だよね」「子ども名義の口座に毎年お金を入れてるんだ。暦年贈与だよ。」といったフレーズをよく耳にします。

 

暦年贈与は、もっとも身近な贈与の方法であり、相続対策として利用されることも多い制度です。

しかし、正しく理解していないと「贈与と認められない」「相続のときにトラブルになる」など、思わぬリスクが生じることがあります。

 

今回は、暦年贈与の仕組み、注意点、そして贈与契約書を作る意味についてお話しします。

 

 

 

暦年贈与とは?

暦年贈与とは、1月1日から12月31日までの1年間に受け取った贈与額に応じて贈与税を計算する制度です。

よく知られているのが「年間110万円までなら贈与税がかからない基礎控除」

 

例えば、子どもに毎年100万円を渡す、孫に毎年50万円を渡すといった贈与は、贈与税がかからずに行うことができます。

 

ただし、暦年贈与は「毎年110万円までなら何をしても大丈夫」という制度ではありません。贈与が成立するためには、いくつかの重要な条件があります。

 

 

 

暦年贈与が成立するための条件

暦年贈与は、次の2つの条件がそろって初めて成立します。

 

 

① あげる側(贈与者)に「贈与する意思」があること
② もらう側(受贈者)が「受け取ったことを知り、自由に使える状態」であること

 

 

この2つがそろっていないと、税務署から「それは贈与ではなく、親の財産の形を変えただけでしょ」と判断されることがあります。

 

特に注意したいのが、子ども名義の口座に親が勝手に入金しているケース。

子どもが口座の存在を知らない、親が自由に出し入れしている場合は、贈与と認められません。

 

 

 

暦年贈与でよくある誤解とリスク

暦年贈与は便利な制度ですが、誤解されやすいポイントがいくつかあります。

 

● 毎年同じ金額を渡すと「定期贈与」とみなされることがある
「毎年100万円を10年間渡す」と最初から決めている場合、10年分まとめて贈与したとみなされる可能性があります。

 

● 相続開始前7年以内の贈与は相続税の計算に加算される
相続税法では、相続開始前7年以内の贈与は相続税の計算上は被相続人の財産に加算されます。
暦年贈与をしていたとしても関係してくる制度なので、混同しないことが大切です。

 

これらの誤解は、後の相続で大きなトラブルにつながることがあります。

 

 

 

贈与契約書を作る意味

暦年贈与を確実に成立させるために、とても有効なのが「贈与契約書」です。

贈与は口頭でも成立しますが、契約書を作っておくことには次のようなメリットがあります。

 

● 贈与の事実を明確にできる
いつ、誰が、誰に、いくら贈与したのかが書面で証拠として残ります。

 

● 税務署からの指摘に備えられる
「贈与の意思があった」「受け取った側が認識していた」ことを証明できます。

 

● 家族間の誤解を防げる
兄弟間などで「自分だけもらっているのでは?」という誤解を防ぐことにもつながります。

 

特に、毎年贈与を続ける場合は、毎年1通ずつ契約書を作成することが望ましいでしょう。

 

 

 

贈与契約書の書き方

贈与契約書は、難しい書式である必要はありません。

一般的には次の内容を記載します。

 

 

・贈与者と受贈者の氏名、住所
・贈与する金額
・贈与の日付
・受贈者が受け取ったことの確認
・署名押印

 

 

手書きでも構いませんが、後の確認のためにコピーを保管しておくと安心です。

印紙は不要です。

 

 

 

暦年贈与を成功させるためのポイント

また、暦年贈与を確実に成立させるためには、次のポイントが重要です。

 

● 子ども名義の口座は「子どもが管理できる状態」にする
通帳やキャッシュカードを贈与を受ける子どもが持っていることが大切です。

 

● 毎年の贈与は「その年ごとに意思表示」をする
最初から複数年分を約束すると定期贈与とみなされる可能性があるためです。

 

● 贈与契約書を毎年作成する
贈与の事実を明確に残しましょう。

 

 

 

暦年贈与は“正しく使う”ことで、はじめて有効

暦年贈与は、家族に少しずつ財産を渡したい場合にとても有効な制度です。

しかし、正しく理解していないと「贈与と認められない」「相続で揉める」などのリスクがあります。

 

贈与契約書を作成し、受け取る側が贈与を認識している状態を整えることで、暦年贈与は安心して進めることができます。

 

 

行政書士法人エニシアでは、相続税を専門とする税理士とも連携し、贈与契約書の作成、贈与の進め方など、各ご家庭の状況に合わせて丁寧にサポートしています。

 

暦年贈与をしたいけれど心配がある方や、きちんと契約書まで準備しておきたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

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