2026/05/29
ペットと相続【前編】
2026/05/29
ペットと相続【前編】
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
「自分が亡くなった後、この子(ペット)はどうなるんでしょうか」というご相談を頂くことがあります。
犬や猫、ウサギ、鳥、ハムスター…。どんな動物であっても、長年一緒に暮らしてきたペットは家族そのものです。
しかし、法律の世界では、ペットは“相続人”ではありません。人間と同じように財産を受け取ることもできません。
この“法律と現実のギャップ”が、ペットを飼っているご家庭の相続を難しくしています。
前編では、ペットと相続の基本的な仕組み、そしてなぜ対策が必要なのかを丁寧にお話しします。
ペットは「家族」でも「相続人」ではない
まず最初に押さえておきたいのは、ペットは法律上「物」として扱われるという点です。
これは決して冷たい意味ではなく、法律上の分類としてそうなっているだけですが、相続の場面では大きな影響があります。
たとえば、ペットに財産を相続させることや、ペットの生活費を直接渡すことはできません。
そのため、「この子のためにお金を残したい」「自分がいなくなっても安心して暮らしてほしい」という願いを叶えるには、人間を介した仕組みを作る必要があります。
飼い主が亡くなった後、ペットはどうなるのか
実務の現場では、飼い主が亡くなった後のペットの行き先が決まっておらず、困ってしまうケースが少なくありません。
家族が引き取ってくれる場合は良いのですが、家族がペットを飼えない、高齢の親が残されている、相続人が遠方に住んでいる、そもそも相続人がいないなど、ペットの行き先が宙に浮いてしまうことがあります。
中には、「親戚が引き取ると言っていたのに、実際には難しいと言われた」「相続人同士が揉めて、ペットの世話が後回しになった」というケースもあります。
ペットは自分で生活できません。飼い主が亡くなった瞬間から、誰かが世話をしなければ生きていけないのです。
ペットの相続で起きやすいトラブル
ペットと相続が絡むと、次のような問題が起きやすくなります。
・ペットの引き取り手がいない
・ペットの生活費が確保されていない
・相続人同士の話し合いが進まない
・相続人がいない場合、ペットが取り残される
特に独身の方や子どもがいない夫婦では、ペットの行き先が決まらないケースが多く見られます。
ペットのための相続対策が必要な理由
ペットは自分で生活できません。だからこそ、飼い主が元気なうちに準備しておくことが必須です。
ペットの相続対策は、誰が引き取るのか、生活費はどうするのか、どんな暮らしをしてほしいのかを明確にすることから始まります。
そして、その内容を遺言書や契約書に残すことで、飼い主の願いを確実に実現できます。
ペットの相続対策は「法律」と「気持ち」の両方が大切
ペットの相続対策は、法律的な仕組みだけでは不十分です。
この子はどんな性格か、どんな生活をしてきたか、どんな食事が好きか、どんな病気があるか、どんな環境が安心するか…。こうした“気持ちの部分”も、ペットの幸せには欠かせません。
遺言書や契約書に加えて、「ペットの生活ノート」を作る方も増えています。
ペットの未来は「飼い主の準備」で決まる
ペットは家族ですが、法律上は相続人ではありません。
だからこそ、飼い主が元気なうちに、引き取り手・生活費・生活環境を整えておくことが、ペットの命を守ることにつながります。
後編では、ペットのためにできる具体的な相続対策(遺言書・負担付遺贈・死後事務委任契約・ペット信託など)を詳しくお話しします。














