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名義預金と相続【前編】

2026/05/27

名義預金と相続【前編】

こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。

 

相続のご相談を受けていると、「これは妻名義の預金だから相続財産じゃないですよね?」「子ども名義の通帳に貯めていたお金は関係ないですよね?」という質問をよくいただきます。

 

しかし実務の現場では、“名義預金”という落とし穴があり、名義が誰であっても、実質的に被相続人のお金と判断されるケースが非常に多いのです。名義預金は、相続の場面で最もトラブルが多いテーマのひとつです。

 

前編では、名義預金とは何か、なぜ問題になるのか、そしてどんなケースで名義預金と判断されるのかお話しします。

 

 

 

名義預金とは「名義と実質が一致していない預金」

名義預金とは、通帳の名義人と実際にお金を出した人が違う預金のことです。

 

たとえば、夫が妻名義の口座にお金を入れていたり、親が子ども名義の口座に貯金していたり、祖父母が孫名義の通帳を作って積み立てていたりするケース。

 

名義は妻・子・孫であっても、実質的には「夫のお金」「親のお金」「祖父母のお金」と判断されることがあります。つまり、名義だけで判断されるわけではありません。

 

 

 

名義預金が相続で問題になる理由

名義預金が問題になるのは、相続財産の範囲を決めるときに「これは誰のお金なのか?」という判断が必要になるからです。

 

名義預金と判断されると、名義人ではなく、実際にお金を出した人の相続財産に含まれることになります。たとえば、夫が妻名義の口座に貯めていたお金は、妻の財産ではなく夫の相続財産とみなされる可能性があります。

 

 

 

名義預金と判断されやすい典型例

名義預金かどうかは、「誰が管理していたか」「誰が入金したか」など、実質的な状況で判断されます。

ここでは、実際に特に多いケースを紹介します。

 

子ども名義の通帳を親が管理している

「子どものために貯めていたお金だから名義預金じゃない」と思われがちですが、実際は名義預金と判断されることが多いようです。

 

通帳を親が管理し、入金も親、子どもは預金の存在を知らないというケースがほとんどだからです。

 

妻名義の預金を夫が管理している

専業主婦の妻名義の口座に、夫の収入から貯金しているケースもよくあります。

この場合、妻に収入がなく、夫が入金し、夫が通帳や印鑑を管理していると、名義預金と判断される可能性が高くなります。

 

孫名義の通帳を祖父母が作っている

祖父母が孫のために積み立てているケースも、名義預金と判断されることがあります。

善意であっても、管理・入金・意思確認のすべてが祖父母であれば、名義預金とみなされやすいのです。

 

 

 

名義預金は「家族の善意」で作られることが多い

名義預金は、悪意や隠ぺい目的で作られることは少なく、多くは“家族の善意”から生まれます。しかし、善意であっても名義預金は名義預金というのが実務の現実です。

 

 

 

名義預金が相続トラブルを引き起こす理由

名義預金は、相続人同士の対立を生みやすいテーマです。「これは自分のものだと思っていた」という相続人の気持ちと、「相続財産として扱うべきだ」という法律上の判断がぶつかり、遺産分割協議が進まないこともあります。

 

 

 

名義預金は、名義が誰であっても、実質的に誰のお金なのかで判断されます。そして、相続の場面で最もトラブルが多いテーマのひとつです。

後編では、名義預金をめぐるトラブルを防ぐために、どんな対策ができるのかを具体的に解説します。

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