2026/05/28
名義預金と相続【後編】
2026/05/28
名義預金と相続【後編】
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
前回の前編に引き続き「名義預金と相続」についてのお話しです。
前編では、名義預金とは何か、そしてなぜ相続で問題になるのかお伝えしました。
後編では、名義預金をめぐるトラブルを防ぐために、家族が今できる具体的な対策についてお話しします。
「誰のお金か」を明確にする
名義預金の最大の問題は、“誰のお金なのかが曖昧”という点です。そのため、誰が入金したのか、誰が管理しているのか、誰が使う予定なのかを明確にしておくことが大切です。
子ども名義の口座であれば、子ども自身が通帳を持ち、入金し、使う目的を理解している状態が望ましいです。
通帳と印鑑の管理者を一致させる
名義預金と判断される大きなポイントは、通帳と印鑑を誰が管理しているかです。名義人が管理していない場合、名義預金と判断される可能性が高くなります。
妻名義の口座であれば妻が管理し、子ども名義の口座であれば子どもが管理する。これだけでも名義預金と判断されるリスクは大きく減ります。
入金の出どころを明確にする
名義預金かどうかは、誰が入金したかが重要な判断材料になります。夫の収入から妻名義の口座に入金している場合や、親の収入から子ども名義の口座に入金している場合は、名義預金と判断されやすいです。
逆に、妻のパート収入を妻名義の口座に入金している場合や、子どもがアルバイト代を自分の口座に入金している場合は、名義預金とは言えません。
「贈与」として扱う場合は意思表示を残す
名義預金を避けるために、「これは贈与です」と明確にしておくことも有効です。ただし、贈与は“あげる側”と“もらう側”の意思が一致している必要があります。
そのため、贈与契約書を作る、贈与の事実をメモに残す、贈与を受けた人が通帳を管理するなど、意思表示を形にしておくことが大切です。
家族で話し合うことが最大の予防策
名義預金は家族の善意から生まれる一方で、相続の場面では大きなトラブルの原因になります。そのため、どの口座が誰のものなのか、どの預金を誰が管理しているのか、将来どう扱うつもりなのかを家族で話し合っておくことが最も効果的な対策です。
遺言書や民事信託で「財産の行き先」を明確にする
名義預金がある家庭では、遺言書や家族信託を活用することで、財産の行き先を明確にできます。
遺言書であれば「この預金は妻に残す」「この口座は子どもに渡す」と指定できます。
ほかにも民事信託を利用すると、財産の管理者と受益者を分けて設計できるため、名義預金の問題を避けやすくなります。
名義預金は家族の善意から生まれる一方で、相続の場面では大きなトラブルの原因になります。
しかし、管理者を明確にする、入金の出どころを整理する、贈与の意思を残す、家族で話し合う、遺言書や民事信託を活用するなどの対策を取ることで、名義預金によるトラブルは大きく減らすことができます。
行政書士法人エニシアでは、名義預金の判断や相続対策について、ご家族の状況に合わせて丁寧にサポートしています。
「名義預金をそのままにしてよいか迷っている」「トラブルにならないように整理しておきたい」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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