2026/04/01
暦年贈与
2026/04/01
暦年贈与
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
相続に関する皆さんの疑問の中には、
「毎年110万円までなら贈与税がかからないって本当?」
「子どもに少しずつ財産を渡しておきたいけれど、どう進めればいいの?」
という声がよくあります。
今回は、贈与の中でも最も身近な「暦年贈与」について、一般的な仕組み・注意点などについてお話ししてみたいと思います。
暦年贈与とは?
暦年贈与とは、1月1日〜12月31日の1年間に受け取った贈与額に応じて、贈与税を計算する制度のことです。
そしてよく知られているのが、年間110万円までなら贈与税がかからない「基礎控除」。
たとえば、
- 子どもに毎年100万円を渡す
- 孫に毎年50万円を渡す
といった贈与は、贈与税がかからずに行うことができます。
暦年贈与のメリット
① 少しずつ財産を移せる
相続が始まる前に、計画的に財産を渡すことができます。
② 贈与税がかからない範囲で行える
110万円以内なら税務署への申告も不要です。
③ 家族への支援として使いやすい
教育費や生活費の補助としても活用できます。
ただし…節税目的だけで使うと注意が必要
暦年贈与は便利な制度ですが、相続税の計算では「持ち戻し」というルールがあるため、節税効果は以前より小さくなっています。
注意点① 相続開始前7年以内の贈与は「相続財産に戻される」
相続税を考える際に、亡くなった方が亡くなった時点で持っていた財産の合計でもって計算の基本にするのが原則ですが、「過去に行った贈与でも、亡くなる直前の一定期間に行ったものなら、亡くなった時点に持っていた財産と考えて相続税を計算することにしましょう」という制度があります(「持ち戻し」といいます)。
そして、2024年1月からは、この持ち戻し期間が3年 → 7年に延長されました。
つまり、
- 亡くなる前の7年間に行った贈与
- 110万円以内の贈与であっても
これらは相続財産に加算して相続税を計算することになります。
例
毎年100万円を贈与していた場合、亡くなる前7年分(最大700万円)が相続財産に戻されたものとして計算されます。
ポイント
このため、節税を念頭に置いた暦年贈与は「できるだけ早いうちから、長期的にコツコツ行う」ことが前提になると言えるでしょう。
注意点② 名義だけの贈与は無効
よくあるのが、
「子ども名義の口座に毎年100万円入れているから大丈夫」
というケースです。
しかし、
- 子どもが口座の存在を知らない
- 親が自由に出し入れしている
- 実質的に親のお金のまま
という場合、贈与が否認されてしまうことがあります。
贈与と認められるためには
- 受け取る側が贈与を知っている
- 受け取る側が自由に使える状態になっている
ということが必要になりますのでご注意。
注意点③ 毎年同じ金額を渡すと「定期贈与」とみなされることも
「毎年100万円を10年間渡す」と最初から決めている場合、10年分まとめて贈与したとみなされる可能性があります。
その場合、贈与税が高額になることも。
暦年贈与は「その年ごとに贈与の意思がある」ことが大切です。
注意点④ 贈与契約書を作っておくと安心
贈与は口頭でも成立しますが、後々のトラブルを防ぐために簡単な贈与契約書を作っておくと良いでしょう。
注意点⑤ 子どもや孫への贈与は「管理方法」に注意
未成年の子どもや孫に贈与する場合、
- 名義は子ども
- 管理は親
という形になります。
このとき、親が勝手に使ってしまうと贈与が否認されてしまうことにつながります。
暦年贈与は“正しく使えば”とても有効
暦年贈与は、
- 家族に少しずつ財産を渡したい
- 将来の相続に備えたい
という方にとって、とても使いやすい制度です。
ただし、
- 持ち戻し7年
- 名義だけの贈与は無効
- 定期贈与とみなされるリスク
など、注意点も多くあります。
行政書士法人エニシアでは、連携している税理士とともに
- 暦年贈与の進め方
- 贈与契約書の作成
について、お客さまの状況に合わせたサポートを行っています。
「うちの場合はどう進めればいいの?」と感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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