2026/03/13
シリーズ「行方不明の相続人」前編
2026/03/13
シリーズ「行方不明の相続人」前編
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
今回から2回にわたり新シリーズ「行方不明の相続人」をお届けします。
- 兄弟と長年連絡が取れていない
- 親族が海外に行ったまま消息不明
- 疎遠な家族がどこに住んでいるか分からない
といったご相談が札幌でも増えています。
相続人のうち誰かが行方不明だと、
相続手続きが進められない
という大きな問題が発生します。
第1回では、まず
「行方不明の相続人がいると相続はどうなるのか」
という基本を、行政書士の立場から分かりやすく整理します。
行方不明の相続人がいると相続は進められない
相続手続きでは、
相続人全員の同意(署名・押印)が必要
です。
そのため、
- 連絡が取れない
- 住所が分からない
- 生死が不明
といった相続人がいると、遺産分割協議が成立せず、そのままの状態では
預金の解約・不動産の名義変更などが一切できません。
これは法律上そのように規定あれているため、行政書士やその他の法律の専門家が関わったとしても、そのまま勝手に手続きを進めることはできないのです。
「行方不明」とはどんな状態を指す?
次のような状態を「行方不明」と一般的に扱います。
- 住民票の住所に住んでいない
- 電話・メールがつながらない
- 家族も所在を知らない
- 海外に行ったまま消息不明
この段階では、まだ法律上の「失踪」とまでは言えないかもしれません。
しかし、相続手続きは止まってしまうため、何らかの対応が必要になります。
まずは「所在調査」から始める
行方不明の相続人がいる場合、最初に行うのは、
所在調査(居場所の確認)
です。
行政書士ができるのは、
戸籍・住民票の取得(正当な理由がある場合)
など、書類調査を中心としたサポートです。
一方で、裁判所を通じた手続き(不在者財産管理人の申立て・失踪宣告など)は、行政書士単独では行えません。こうした場合は、連携している司法書士・弁護士と協力しながら進める形になります。
所在が分からない場合の次のステップ
調査をしても所在が分からない場合、相続手続きは次のような流れになります。
① 不在者財産管理人の選任(家庭裁判所)
行方不明の相続人の代わりに、財産管理を行う人を裁判所が選任します。
※ 申立てや書類作成の代理ができる司法書士・弁護士と連携して進めます。
② 管理人が遺産分割協議に参加
管理人が、行方不明者の利益を守りながら協議に参加します。
③ 必要に応じて「失踪宣告」へ
長期間生死不明の場合、法律上「死亡したものとみなす」制度です。
※ こちらも裁判所の手続きのため、必要な場合は司法書士・弁護士との連携して手続きを行います。
このように、行方不明者がいる相続は、通常よりも時間と手間がかかります。
行方不明の相続人がいると相続は止まる。まずは所在調査から
今回は、行方不明の相続人がいる場合の基本的な流れを解説しました。
次回の第2回では、
「行方不明の相続人が出ないように、事前にできる対策」
について、遺言・家族信託などの視点からお話しします。
行政書士法人エニシアでは、
・相続人の確認
・相続人の所在調査のサポート
・戸籍・住民票の取得
・司法書士・弁護士との連携による手続き支援
など、状況に応じたサポートを行っています。
「相続人の一人と連絡が取れない…」という場合は、早めにご相談ください。
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