2026/03/12
シリーズ「養子と相続」後編
2026/03/12
シリーズ「養子と相続」後編
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
シリーズ「養子と相続」第2回(後編)です。
前回は、
- 養子は法定相続人になれる
- 普通養子と特別養子で相続権が異なる
- 相続税の計算に影響する
といった基本をお話ししました。
今回は、実際のご相談でも非常に多い、
「養子がいることで起きやすい相続トラブル」
についてです。
① 実子と養子の“取り分”をめぐるトラブル
もっとも多いのが、
「実子と養子の相続分は同じなのか?」
という問題です。
法律上、
実子も養子も相続分は同じ
ですが、感情面では納得できないケースもあります。
よくあるケース
- 「血のつながった子どもと同じ取り分なのは納得できない」
- 「再婚相手の連れ子(養子)に財産を渡したくない」
- 「孫を養子にしたら、実子の取り分が減ってしまった」
こうした感情のズレが、遺産分割協議の際に大きな火種になります。
【対策】
・生前に家族で話し合う
・遺言書で取り分をあらかじめ調整する
・家族信託で承継先を指定する
特に、再婚家庭では遺言書が必須と言えるほど重要です。
② 普通養子は「実親」と「養親」両方から相続できる問題
普通養子の場合、
実親・養親の両方から相続権がある
ため、実親の相続人にはならないと思い込んで、相続人の人数にカウントしていないと、結果として後々相続人の数が増えることが判明し、手続きが複雑になります。
よくあるケース
- 「実親の相続で、養親側の家族が驚く」(養親は、養子と実親の相続関係が切れていると思っていた)
- 「相続人が増えたせいで話し合いがまとまらない」
- 「疎遠な実親の相続に巻き込まれる」
相続人が増える分、遺産分割協議も協議書の作成も難しくなります。
【対策】
・生前に関係者へ説明しておく
・遺言書で相続人を整理する
・家族信託で承継先を固定する
③ 孫を養子にした場合の「相続税の不公平感」
孫を養子にすると、
相続税の基礎控除が増える
というメリットがあります。
しかしその一方で、
実子の取り分が減る
ため、実子から不満が出ることがあります。
◆ よくあるケース
- 「なぜ孫が子どもと同じ扱いなのか」
- 「税金対策のために養子にしたのが気に入らない」
- 「自分の取り分が減るのは納得できない」
税務上のメリットと、家族の感情が一致しない典型例です。
【対策】
・遺言書でバランスを調整する
・生前贈与で調整する
・生命保険で公平感を持たせる
④ 養子縁組の時期が遅すぎて無効扱いになる
相続開始(死亡)後に養子縁組をしても、
相続権は発生しません。
また、死亡直前の養子縁組は、
「無効では?」
と相続人から争われることがあります。
よくあるケース
- 「亡くなる直前に養子にしたのは不自然だ」
- 「財産目当ての養子縁組では?」
- 「本人の意思能力がなかったのでは?」
こうした争いは、家庭裁判所での調停に発展することもあります。
【対策】
・家族に説明しておく
・元気なうちに養子縁組を行う
・意思能力があるうちに遺言書を作成する
養子がいる相続は「感情」と「法律」の両面で対策を
後編では、養子がいることで起きやすい相続トラブルについて解説しました。
養子が関わる相続は、「法律上のルール」と「家族の感情」がぶつかりやすい局面です。
しかし、
・生前の話し合い
・遺言書
・家族信託
・生命保険
などを組み合わせることで、多くのトラブルは予防することができます。
行政書士法人エニシアでは、
・遺言書の作成支援
・家族信託の設計
など幅広くサポートしています。
「うちの場合はどう対策すべき?」と感じたら、ぜひ一度ご相談ください。
▶ 生前対策
▶ 遺産手続
▶ 費用について














