2026/02/26
シリーズ「空き家と相続」第3回
2026/02/26
シリーズ「空き家と相続」第3回
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
シリーズ「空き家と相続」第3回
いよいよ、このシリーズの最終回です。
今回は、空き家と相続の問題を考えるうえで避けて通れない、
「相続手続き」
について、実際の流れをお話ししていきます。
相続した空き家を、
・売る
・貸す
・解体する
・保有する
いずれの選択をするにしても、原則的にまず必要になるのは名義の変更(相続登記)です。
しかし、
・名義が祖父母のまま何十年も放置されている
・相続人が多く、話がまとまらない
・必要書類が分からない
・どこから手をつければいいか分からない
といったご相談も少なくありません。
第3回では、
・相続登記の義務化
・名義変更の流れ
・売却や賃貸に必要な書類
・相続人が多い場合の注意点
など、空き家と相続の実際をお伝えします。
相続登記は「義務」になりました
2024年4月から、相続登記(相続した不動産の名義変更)は義務化されました。
◆ 相続登記の義務化とは?
・相続が発生して不動産を取得したら
・原則3年以内に相続登記をしなければならない
というルールです。
これを怠ると、
10万円以下の過料(罰金)
が科される可能性があります。
「空き家だから放置してもいい」は、もう通用しない時代になりました。
相続登記をしていないと、
・売却できない
・賃貸に出せない(貸主が不明だとトラブルになりやすい)
・固定資産税の通知が届かないまま、延滞が発生
など、あらゆる場面で支障が出ます。
空き家問題の第一歩は、名義を現状に合わせて整理することです。
相続登記(名義変更)の基本的な流れ
相続登記の流れは、次のようになります。
① 相続人を確定する(戸籍の収集)
被相続人(亡くなった方)の、
・出生から死亡までの戸籍
・除籍謄本
・改製原戸籍
をすべて集め、相続人を確定します。
なお、被相続人に子供がおらず、親が既に亡くなっているようなケースでは、兄弟姉妹が相続人となるため、これら兄弟姉妹の戸籍も相続人の確定には必要になります。
さらに、上記の場合で被相続人よりも先に兄弟姉妹が亡くなっていると、その子(甥、姪)が亡くなった兄弟姉妹に代わって相続人になるため(代襲相続)、亡くなった兄弟の出生から死亡までの戸籍も必要になります。
このように、戸籍の収集が最も時間がかかる作業で、数週間〜数ヶ月かかることもあります。
② 遺言書の有無を確認する
・公正証書遺言があるか
・自筆証書遺言があるか
を確認します。
遺言書がある場合は、その内容に従って名義変更を進めます。
③ 遺産分割協議を行う
遺言書がない場合、相続人全員で話し合い、
「誰が空き家を相続するか」
を決めます。
この協議がまとまらないと、売却も賃貸もできません。
④ 遺産分割協議書を作成する
話し合いの内容を文書にまとめ、相続人全員が署名・押印します。
⑤ 相続登記を申請する
法務局に、
・戸籍一式(またはこれに代わる「法定相続情報一覧図」)
・遺産分割協議書
・固定資産評価証明書
・登記申請書
などを準備・提出し、名義変更を行います。
これでようやく、
「売る」「貸す」「解体する」
といった次のステップに進めるようになります。
売却・賃貸・解体に必要な書類
空き家を活用する際には、相続登記以外にも必要な書類があります。
◆ 売却の場合
・相続登記済みの登記事項証明書
・不動産権利証(不動産権利情報)
・固定資産評価証明書
・身分証明書
・印鑑証明書
・場合によっては遺産分割協議書
不動産会社との媒介契約を結ぶ際にも、これらの書類を準備しておきましょう。
◆ 賃貸の場合
・相続登記済みの登記事項証明書
・建物の図面(なければ簡易的に作成したもの)
・火災保険の加入手続書類
賃貸管理会社と契約する場合は、追加書類が必要になることもあります。
◆ 解体の場合
・相続登記済みの登記事項証明書
・建物滅失登記の申請書類
・解体業者との契約書
解体後は、土地として売却するための準備が必要です。
相続人が多い場合の注意点
空き家の相続で最も難航するのが、
「相続人が多いケース」
です。
たとえば、
・祖父母名義のまま放置されていた
・兄弟姉妹が多い
・相続人の一部が遠方に住んでいる
・疎遠な親族がいる
といった場合、話し合いが進まないことがよくあります。
◆ 相続人が多いと起きやすい問題
・連絡が取れない相続人がいる
・誰が空き家を相続するか決まらない
・売却代金の分け方で揉める
・感情的な対立が起きる
相続人が多い場合は、
「専門家がサポートすることでスムーズに進む」
ケースが非常に多いです。
行政書士は、
・相続人の調査
・遺産分割協議書の作成
などをサポートすることができます。
空き家の相続は、家族だけで抱え込むと時間も労力もかかりすぎてしまうことが重荷になります。
行政書士をはじめ、ぜひ相続の専門家を頼ってみてください。
空き家の問題は“相続手続き”から
今回は、空き家と相続の実際についてお話ししました。
空き家の問題は、
「相続手続きを正しく進めること」
から始まります。
名義が整理されると、
・売る
・貸す
・解体する
・保有する
といった選択肢が一気に広がります。
また、早めに動いたご家庭ほど負担が少なく、選択肢も多くなります。
「どこから手をつければいいか分からない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
行政書士法人エニシアでは、
・相続人調査
・遺産分割協議書の作成
・相続登記のサポート(登記手続きを司法書士と連携)
・空き家の売却・活用の相談
などをワンストップでサポートしています。
あなたのご家庭にとって最適な選択ができるよう、丁寧にお手伝いします。
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