2026/02/03
シリーズ|「不動産の相続トラブル」第1回
2026/02/03
シリーズ|「不動産の相続トラブル」第1回
どうして不動産の相続でこんなに揉めなきゃいけないの?!
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
「不動産のせいでうちの相続の話、ややこしくなっちゃった」
今回は、相続で揉めやすい不動産、その背景にある理由についてお話ししたいと思います。
現金や預金であれば数字として分けやすく、相続人同士の話し合いも比較的スムーズに進むことが多いのですが、不動産が入ってくると状況は一変。
なぜ不動産は、ここまで相続トラブルの火種になりやすいのでしょうか。
その理由は、単に金額が大きいからではありません。
むしろ、不動産という財産が持つ「分けにくさ」「評価の難しさ」「感情の絡みやすさ」という性質が、兄弟間の価値観の違いを浮き彫りにし、話し合いを複雑にしてしまうのです。
不動産が相続トラブルを生みやすい理由
まず、不動産は物理的に分けることができません。
たとえば、親が残した土地が一筆だけであれば、それを相続人の人数分に切り分けることは現実的ではありませんし、建物が建っていればなおさらです。
結果として、「誰が引き継ぐのか」「代わりにどのように公平性を保つのか」という議論が避けられず、ここで意見が割れやすくなります。
また、不動産は評価額の算定が難しいという特徴もあります。
固定資産税評価額、路線価、実勢価格など、評価方法によって金額が大きく変わるため、相続人同士で「この家はいくらの価値があるのか」という認識が揃わないまま話し合いが始まってしまうことが多いのです。
この“価値の認識のズレ”が、後々の不満や不信感につながります。
さらに、不動産には「思い出」という感情的な価値がつきまといます。
親が長年暮らした家、家族で過ごした時間、庭の木、部屋の匂い──こうした記憶が、相続人の判断に影響を与えることは珍しくありません。
「実家を残したい」という気持ちと、「維持費が負担だ」という現実的な考えがぶつかり合い、話し合いが感情的になってしまうのです。
典型的に起こりやすい不動産相続トラブル
不動産相続の現場では、いくつかの典型的なトラブルパターンが繰り返し見られます。
たとえば、共有名義にしたことで売却ができなくなるケースです。
不動産を複数人で共有すると、売却や賃貸などの重要な決定には全員の同意が必要になります。
相続人の一人が「売りたくない」と言えば、それだけで話が止まってしまうのです。
また、兄弟のうち誰かが実家に住み続けているケースも揉めやすい状況です。
住んでいる人は「自分が管理しているのだから当然だ」と考え、他の兄弟は「家賃相当の負担をしてほしい」と感じます。
双方に言い分があり、どちらも間違ってはいないため、話し合いが平行線になりがちです。
さらに、空き家を相続したものの、誰も管理せず放置されてしまうケースも増えています。
草刈り、除雪、修繕、固定資産税──不動産は持っているだけで費用がかかります。
しかし、相続人全員が忙しく、誰も主体的に動かないまま時間だけが過ぎ、気づけば近隣から苦情が来てしまう。
こうした“責任の押し付け合い”も、相続トラブルの典型例です。
札幌・北海道特有の事情
北海道では、土地が広い分、評価額の差が大きくなりやすいという特徴があります。
また、親世代が郊外に住み、子ども世代は札幌市内に移住しているケースが多いため、「実家に戻るつもりがない」という相続人も増えています。
さらに、冬季の除雪や維持管理の負担が大きく、これが相続人間の不公平感を生むことも少なくありません。
さて、ここまで、なぜ不動産の相続が揉めてしまうのか、その原因についてお話しさせて頂きました。
次回は、実際に起きた不動産相続トラブルの事例をもとに、どのような準備があれば防げたのかを詳しく見ていきます。
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