2026/01/29
シリーズ|兄弟・親族間の相続トラブル(第1回)
2026/01/29
シリーズ|兄弟・親族間の相続トラブル(第1回)
なぜ兄弟・親族間で相続は揉めるのか?
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
「兄弟仲は悪くなかったのに、相続をきっかけに関係が壊れてしまった」という声。
この仕事をしていると後日談として、本当によくお話を聞くことが多いです。
相続は“お金の問題”であると同時に、“家族の歴史や感情が凝縮された問題”でもあります。
だからこそ、普段は穏やかな兄弟でも、いざ相続となると意見がぶつかり、思わぬトラブルに発展してしまいます。
では、なぜ兄弟・親族間の相続は揉めやすいのでしょうか。
そこには、いくつか“構造的な理由”があります。
兄弟間で相続が揉める“構造的な理由”
①「長男・長女の役割意識」のズレ
北海道でも「長男が家を継ぐ」という意識は根強く残っています。
一方で、北海道を離れ本州の都市部で暮らす兄弟は「相続は平等であるべき」と考えることが多い。
こうした価値観の違いが、遺産分割の場面では衝突のきっかけに。
②「介護した・していない」の不公平感
親の介護を担った子と、遠方に住んでいて関われなかった子。
双方に言い分があり、どちらも“自分の方が大変だった”と感じやすい。
このような感情のズレは、相続の場面で一気に表面化することにつながります。
③「財産の内容を知らない」ことによる不信感
相続財産がどれだけあるのか、誰が管理しているのか。
情報が不透明だと、兄弟間に疑心暗鬼が生まれます。
「兄だけが通帳を持っている」「妹が勝手に管理している」など、実際に多い相談です。
④「不動産が分けられない」という物理的な問題
札幌・北海道では、相続財産の多くが土地や建物というケースが多くあります。
不動産は“実物を分けることができない財産”なので、どうしても意見が割れやすいのです。
よくある相続トラブルの典型
①:介護した長女 vs 遠方の兄弟
「私は介護を頑張ったのに、遺産は平等なの?」
「介護は気持ちの問題でしょ。遺産は法律どおりに分けるべき」
この対立は非常に多く、感情的になりやすい典型例といえます。
②:不動産しかない家庭の“分けられない問題”
親の家が唯一の財産というケースは本当にたくさんあります。
売却するのか、誰かが住み続けるのか、代償金はどうするのか・・・
兄弟の生活状況によって意見が割れてしまいます。
③:財産を“勝手に管理”していた兄弟がいる
「親の通帳を預かっていた兄が、何に使ったのか説明しない」
「母のキャッシュカードを妹が持っていて、残高が減っている」
こうした不信感も、相続の場面では爆発しがちです。
“揉める前兆”は意外とわかりやすい
兄弟間の連絡が減る
・一部の兄弟だけが親の情報を握る
・親の財産管理が不透明になる
・親の介護方針で意見が割れる
・親が認知症気味なのに、誰も正式な手続きをしていない
これらは、相続トラブルの“予兆”。
でも早めに気づくことができれば、対策は十分に可能です。
札幌・北海道特有の“揉めやすい背景”
土地が広く、評価額の差が大きい
・親が郊外に住み、子どもは札幌市内に移住している
・不動産の維持費(固定資産税・除雪)が負担になりやすい
こうした地域性も、兄弟間の意見のズレを生みます。
トラブルは特別じゃない
兄弟間の相続トラブルは、特別な家庭だけに起きるものではありません。
むしろ、どの家庭にも起こり得る“構造的な問題”が潜んでいます。
次回は、事例をもとに「どうすれば防げたのか」を具体的に見ていきます。
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