2025/12/23
スタッフBlog|おふたりさまと相続
2025/12/23
スタッフBlog|おふたりさまと相続
こんにちは、行政書士の長田(おさだ)です。
前回、「おひとりさま」の相続をテーマにお話しをたところ、その後「私はまだ”おひとりさま”じゃないんだけど、『おふたりさま』だと相続はどうなるんですか」というお声をいただきました。
せっかくですので、おひとりさまのお話しだけで終わらせるのではなく、今回「おふたりさま」についてご案内したいと思います。
“おふたりさま”とは
ところで、”おふたりさま”という言葉。
ひょっとしたら聞き馴染みがない方が多いかもしれません。
「おふたりさま」とは、平たく言うと「子どもがいないご夫婦」のこと。
市販の書籍等でも、”おひとりさま”という言葉に寄せて、このように呼んでいるのを見かける機会が増えてきました。
おふたりさまの相続人は誰?
おふたりさまご夫婦のうちのどちらか一方が亡くなって相続となった場合も、法定の順序に従って次の方が法定相続人になります。
<1>配偶者 ※おふたりさまのケースでは、必ず相続人になります
<2>配偶者以外 ※配偶者とともに次の順序で相続人になります
◆第1順位 子供や孫など(直系卑属)
※”おふたりさま”は子どもがいない方という想定なので、第1順位の相続人はいない、ということになります
◆第2順位 父母や祖父母など(直系尊属)
◆第3順位 兄弟姉妹(兄弟姉妹が先に亡くなっていた場合は、甥姪)
「おふたりさま」のケースでは、配偶者が必ず相続人となり、加えて、父母や祖父母が健在であればその方が相続人となり(第2順位)、第2順位の方が既に亡くなっているときは、兄弟姉妹や甥姪が相続人となります(第3順位)。
そして、相続の場面では、この法定相続人が全員で遺産分割協議を行う必要があるのが原則になります。
気にした方が良いこと
夫婦の親戚付き合いが何ひとつ問題なく、円満であることは理想です。
ただ、そのような家庭は多くないのではないでしょうか。
次の点は、”おふたりさま”の相続を考えるときに最も注意しなければいけません。
・夫(妻)と、自分の親はあまり仲が良くない
・夫(妻)と、自分の兄弟(姉妹)はほとんど交流がない
これらは、割とよく聞く話です。
“おふたりさま”のうち、残された配偶者は、他の法定相続人と円満に分割協議ができるでしょうか。
また、次のような点も見逃せません。
・自分も高齢、親はもっと高齢
・自分も兄弟(姉妹)も高齢になってきた
加齢は誰もが避けえないことですが、認知症で意思表示ができなくなってしまっている方いる場合に限らず、加齢に伴って遺産分割協議の障害が生じることが少なくありません。
・耳が遠く、電話では会話が難しい
・目がかなり悪くなって文字が読めない
・ペンで文字を書くのが困難で、署名も負担が大きい
意思表示ができるから分割協議ができないことはない、でも、小さな障害が積み重なっていると結果大きなハードルになってしまい、まとめるのはかなり大変になります。
遺言を活用する
もし、このような相続関係になることが想定される“おふたりさま”の場合は、遺言書を作成しておくことで、将来に備えることが望ましいといえます。
例えば、「自分が死んだら、配偶者(夫、妻)に全財産を相続させる」という遺言を遺し、その相続手続きも配偶者(夫、妻)ができるように「遺言執行者」として遺言で決めていれば、のこされた配偶者が相続手続きを円滑に行うことができます。
※ただし、配偶者とともに親が相続人となるケースでは、遺留分(相続できる財産の最低保障額の権利)に配慮した遺言を検討する余地があります。
※配偶者とともに兄弟姉妹やその甥姪が相続人になるケースでは、遺留分は気にしなくてもよく、このような遺言は特に効果的です。
また、全財産を特定の誰か一人にあげる遺言でなく、法定相続分どおりに分けたいケースでも、「遺言執行者」を定めてその人に手続きさせるよう遺言を遺すことは、加齢に伴う相続手続き上のハードルをクリアするのにも非常に役立ちます。
私たちの親戚どうしてるかな
札幌でも急に温かさがもどったりがありましたが、年の瀬になり寒さが一層増してきています。
この時期は親戚のことに想いを馳せるよい季節ともいえます。
冬になると”春になってからでいいや”と何かと後回しにしたくなる癖が私も顔を出しそうになりますが、ぜひこの機会に相続についても考えてみて欲しいなとおもいます。














