2025/12/09
スタッフBlog|法定相続情報一覧図 作成のススメ
2025/12/09
スタッフBlog|法定相続情報一覧図 作成のススメ
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
前回は、相続手続きなどに使う戸籍を便利な方法で集めましょう、というお話をしました。
戸籍の話を取り上げましたので、せっかくですからもう一歩。
集めた戸籍を利用して作っておくことで、その後の手続きが便利になる「法定相続情報一覧図」について今回ふれておきたいと思います。
たくさんの戸籍を持ち歩くのは大変
不動産の名義変更や預貯金解約などを行う相続手続きでは、亡くなった方や相続人の戸籍を集め、関係各所にその集めた戸籍の”束”を提出する必要がありました。
しかし、戸籍の束と言っても、亡くなった方が本籍地を移した頻度や相続人となる方の数によって、その分量の違いは千差万別。
戸籍の枚数が多ければ、それだけ分厚く重たい束になります。これを必要な手続きの一つ一つのために持ち歩いたり、郵送したりするのがすごく面倒という声を私も実際よく耳にしてきました。
戸籍の束に代わる”一覧図”
こうした戸籍の束を持って回るのを、より簡単にするための制度が2017年にスタートし、その中で登場したのが「法定相続情報一覧図」です。
戸籍の束に記載されている「亡くなった方(被相続人)と、その法定相続人となる方との関係」を線でつないで図にあらわした書類で、内容がその戸籍の束にもとづいたものであることを法務局の登記官が証明してくれるものになります。
相続関係がよほど複雑なケースでない限り、一覧図はたった「1枚」の紙に内容がまとまっていて、これが金融機関や法務局などに提出する戸籍の束の代わりになります。
法定相続情報一覧図に関する制度がはじまった当初は、法務局での相続登記手続きのみにしか利用することができませんでしたが、現在では利用できる範囲も拡大し、金融機関のほか、税務署、年金事務所などの手続きでも利用が可能となっています。
複数とっておくと便利
法定相続情報一覧図は、”揃えた戸籍一式“と”申出書”などの必要書類を法務局に提出することで、証明付きの写しを発行してもらうことができるのですが、写しの交付手数料は無料なので※、必要になりそうな手続先の数と同じだけ取得しておきましょう。
戸籍の束だと同じものを複数セット用意するのは難しく費用もかさむため、一つの手続きで束を使用している最中は他の手続きが進まず時間がかかるところが難点でしたが、この一覧図だと一度に並行して手続きを行いやすいというメリットがあります。
※ご自身で法定相続情報一覧図の手続きを行うことが難しく、行政書士や司法書士などの専門家に手続きを依頼する場合は、無料の交付手数料とは別に依頼するための費用がかかります。
デメリットはあるか?
デメリットがあるとすれば、法務局へ戸籍の束と必要書類を提出してから、認証付きの一覧図の写しを交付してもらえるまで、1~2週間程度の時間がかかることです(管轄法務局の混雑具合によってはもう少し時間がかかるケースもあります)。
どうしても急ぎで手続きを優先しなければいけない先がある方や、手続先の数が1~2件など少ない方であれば、あえて法定相続情報一覧図を作成せずに、従来どおりの戸籍の束をもって回って手続きをした方がより時間的な効率が良いこともあるでしょう。
法定相続情報一覧図を作れないケース
非常に便利な法定相続情報一覧図ですが、以下のように作成することができないケースも一部ありますのでご注意ください。
・被相続人や相続人に外国籍の方がいる
・被相続人が帰化により日本国籍を取得した方である
・必要な戸籍謄本の一部が収集不能(役所で滅失・焼失・破棄されているなど※)
※戸籍が完全に揃わなくても「滅失(焼失)証明書」や「告知書」、「廃棄証明書」といった書類があれば作成(認証)してもらえる場合もありケースバイケースです。
管轄の法務局ごとでも運用が少しずつ異なるため、もし該当する場合は専門家にも相談してみることをおすすめします。先ほどのケースでは、子供2人が相続放棄をしても、亡くなった夫に親や祖父母、兄弟姉妹、おいめいなどがいない場合には、夫の妻が単独で相続人になることになります。
つなげて身軽になりましょう
今回の法定相続情報一覧図の制度の話も、前回ご紹介した戸籍の新制度とセットで覚えておくことで、自分が関係当事者になった際に負担を軽くすることにつながります。
色々な制度も運用がより進んでいくことで利用範囲が広がったりアップデートが繰り返されたりしますので、みなさんに有益な情報更新があれば今後もどしどしご紹介しますね。














