2025/12/04
スタッフBlog|相続の誤解あるある
2025/12/04
スタッフBlog|相続の誤解あるある
こんにちは、行政書士・宅地建物取引士の長田(おさだ)です。
先日、遺産相続の手続き相談のお客様から、相続の基本的でとても大事な点について質問をいただきました。
つい最近、相続の遺留分のお話を取り上げた際に触れたところですが、法的なことに一程度馴染みのある私たちの感覚ではそれほど大げさでないことでも、一般の方の感覚からすると意外と分かりにくいと感じることも多いのかもしれません。
今回はそんな相続にまつわる誤解について少しご紹介します。
妻の相続人は自分だけじゃないの?
そのお客様(ここでは、「Aさん」と言うことにします。)は60代後半の男性で、奥様を亡くされたことで、私のところにご相談にいらっしゃいました。亡くなった奥様の遺産は預貯金のみ。遺言も遺してはいませんでした。Aさんからの相談は、奥様の預貯金の解約手続きを代行してもらいたいという内容です。
Aさんと亡くなった奥様との間にはもともと子どもがおらず、奥様のご両親は奥様よりも先にすでに亡くなっています。
私はAさんに、奥様に兄弟(姉妹)がいるかを聞き、いるのであればその兄弟(姉妹)の方も相続人になること、そして、奥様の預貯金を解約するためには、その兄弟(姉妹)とAさんとで遺産分割協議を行うなど協力しあう必要があることをお伝えしました。
そうしたところ、私の話を聞いたAさんが大変ビックリされたのです。
聞けば、Aさんは奥様の夫である自分だけが相続人になるものと思っていたということでした。
配偶者は常に相続人になる
確かに、Aさんの考えも全部が間違っているわけではありません。亡くなった方に配偶者がいる場合は、配偶者は必ず相続人になるからです。
配偶者以外に相続人になる人
確かに、Aさんの考えも全部が間違っているわけではありません。亡くなった方に配偶者がいる場合は、配偶者は必ず相続人になるからです。
ただし、民法では、配偶者以外に誰が相続人になるかも定められており、第1順位から第3順位まで優先順位が存在します。
第1順位 子 ・・・ 直系卑属(ちょっけいひぞく)
第2順位 親や祖父母など ・・・ 直系尊属・ちょっけいそんぞく
第3順位 兄弟姉妹 ※法律上は「けいていしまい」と読みます
先順位の人が1人でもいる場合、後の順位の人は相続人にはなれません。また、同じ順位の人が複数いる場合は、同順位の全員が相続人になります。
代襲相続
さらに、第1順位に関しては相続人となるはずだった子がすでに亡くなっていた場合、代わりに孫が相続することができ、これを「代襲相続」(だいしゅうそうぞく)といいます。また、孫が死亡している場合はその子であるひ孫が代襲相続をして相続人となります。
なお、第3順位の兄弟姉妹についても、すでに死亡している場合、甥や姪が、それぞれ代襲相続することができます。ただし、甥や姪が死亡している場合、法律上、その甥や姪の子は代襲相続ができないことになっているのです。
妻の兄弟姉妹が多い
さて、Aさんの話に戻ります。奥様の兄弟姉妹が相続人となることについて、Aさんに理解してもらうことができたのですが、Aさんの奥様には6人の兄姉がいるとのこと。
さらに、6人のうち、3名は奥様よりも先に亡くなっていてそれぞれに甥姪が数名ずつ。このため、先ほどの代襲相続の話も考慮すると、合計で10名以上の方が相続人になりそうという話になりました。
のこされたAさんの負担
こうなってくると、Aさんが奥様側の親戚と連絡を取るのにも一苦労します。Aさんは奥様サイドの親戚とはそこまで深い付き合いがなかったため、Aさんにとっても心理的な負担が大きいケースとなりました。
遺言があったらどうだったか
ところで、もし、Aさんのケースで亡くなった奥様が遺言をしていた場合はどうなっていたのでしょうか。
仮の一例ですが、奥様が「自分が死んだら、夫に全財産を相続させる」という遺言を遺していれば、Aさんは、奥様の親戚と協働して相続手続きをする必要はありませんでした。
また、兄弟姉妹やその甥姪には、相続できる財産の最低保障額の権利(遺留分)を請求することが法律上認められていませんので、Aさんの場合は、こうした遺言があったとしても奥様の兄弟姉妹たちから遺留分相当の金銭を請求されるような問題にもならない安全なケースだったと言えます。
今回のAさんのケースでは、事前に遺言で手当をしておくということはかないませんでしたが、先々の負担をあらかじめ想定して備えておくことは、相続を考えるうえでとても大切なことだと思います。
どうかこのエピソードが、読者の皆さんの将来の不安を解消するきっかけになりますように。














