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福祉・介護職員処遇改善等加算について
福祉・介護職員処遇改善加算について
福祉・介護職員処遇改善加算は、平成23年まで実施されていた福祉・介護人材の処遇改善事業における助成金による賃金改善の効果を継続する観点から、平成24年度から当該助成金を円滑に障害福祉サービス等報酬に移行し、当該助成金の対象であった障害福祉サービス等に従事する福祉・介護職員の賃金改善に充てることを目的に創設された制度です。
事業所で実施している処遇改善の取組の内容により、加算(Ⅰ)、加算(Ⅱ)、加算(Ⅲ)の3つの区分があります。
算定には、下記のキャリアパス要件及び職場環境要件を満たす必要があります。
加算 ( Ⅰ ) | 加算 ( Ⅱ ) | 加算 ( Ⅲ ) |
キャリアパス要件のうち➀②③を満たし
かつ 職場改善要件を満たす |
キャリアパス要件のうち➀②を満たし
かつ 職場改善要件を満たす |
キャリアパス要件のうち➀又は②を満たし
かつ 職場改善要件を満たす |
➀ 職位・職責・職務内容等に応じた任用要件と賃金体系を整備すること
② 資質向上のための計画を策定して研修の実施又は研修の機会を確保すること
③ 経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること
※ 就業規則等の明確な書面での整備、全ての福祉・介護職員への周知を行う必要があります
・以下のうちから1つ以上取り組んでいる必要があります
区分 | 具体的内容 |
入職促進に向けた取組 | ・法人や事業所の経営理念や支援方針・人材育成方針、その実現のための施策・仕組みなどの明確化
・事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度構築 ・他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等、経験者・有資格者にこだわらない幅広い採用の仕組みの構築 ・職業体験の受入れや地域行事への参加や主催等による職業魅力向上の取組の実施 |
資質の向上やキャリアアップに向けた支援 | ・働きながら介護福祉士等の取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い支援技術を取得しようとする者に対する喀痰吸引研修、強度行動障害支援者養成研修、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援等
・研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動 ・エルダー・メンター(仕事やメンタル面のサポート等をする担当者)制度等の導入 ・上位者・担当者等によるキャリア面談など、キャリアアップ等に関する定期的な相談の機会の確保 |
両立支援・多様な働き方の推進 | ・子育てや家族等の介護等と仕事の両立を目指すための休業制度等の充実、事業所内託児施設の整備
・職員の事情等の状況に応じた勤務シフトや短時間正規職員制度の導入、職員の希望に即した非正規職員か正規職員への転換の制度等の整備 ・有給休暇が取得しやすい環境の整備 ・業務や福利厚生制度、メンタルヘルス等の職員相談窓口の設置等相談体制の充実 ・障害を有する者でも働きやすい職場環境の構築や勤務シフトの配慮 |
腰痛を含む心身の健康管理 | ・福祉・介護職員の身体の負担軽減のための介護技術の修得支援、介護ロボットやリフト等の介護機器等の導入及び研修等による腰痛対策の実施
・短時間勤務労働者等も受診可能な健康診断・ストレスチェックや、従業者のための休憩室の設置等健康管理対策の実施 ・雇用管理改善のための管理者に対する研修等の実施 ・事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成等の体制の整備 |
生産性向上のための業務改善の取組 | ・タブレット端末やインカム等のICT活用や見守り機器等の介護ロボットやセンサー等の導入による業務量の縮減
・高齢者の活躍(居室やフロア等の掃除、食事の配膳、下膳などのほか、経理や労務、広報なども含めた介護業務以外の業務の提供)等による役割分担の明確化 ・5S活動(業務管理の手法の1つ。整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字をとったもの)等の実践による職場環境の整備 ・業務手順書の作成や、記録・報告様式の工夫等による情報共有や作業負担の軽減 |
やりがい・働きがいの構成 | ・ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の福祉・介護職員の気づきを踏まえた勤務環境や支援内容の改善
・地域包括ケアの一員としてのモチベーション向上に資する、地域の児童・生徒や住民との交流の実施 ・利用者本位の支援方針など障害福祉や法人の理念等を定期的に学ぶ機会の提供 ・支援の好事例や、利用者やその家族からの謝意等の情報を共有する機会の提供 |
処遇改善加算において対象となる福祉・介護職員は次のいずれかの職種です。
ホームヘルパー、生活支援員、児童指導員、保育士、世話人、職業指導員、地域移行支援員、就労支援員、訪問支援員、夜間支援従事者、共生型障害福祉サービス等事業所及び特定基準該当障害福祉サービス等事業所に従事する介護職員
その他、就労継続支援A型の賃金向上達成指導員、就労継続支援B型の目標工賃達成指導員、児童発達支援及び放課後等デイサービスの指導員等も対象となります。
処遇改善加算等は、サービス別の基本サービス費に各種加算減算(処遇改善加算等を除く)を加えた1月当たりの総単位数にサービス別の加算率を乗じた単位数を算定します。
➀ 処遇改善加算の算定額に相当する職員の賃金(基本給、手当、賞与等 ※退職手当を除く)の改善を実施する必要があります。
② 賃金改善は、基本給、手当、賞与等のうちから対象とする賃金項目を特定した上で行う必要があります。
③ 原則として、特定した賃金項目を含め、賃金水準を低下させてはなりません。
④ 処遇改善加算の算定に必要な各基準(キャリアパス要件、職場環境要件の取組等)を達成に向けての取組費用は、賃金改善実施に要する費用には含まれません。
処遇改善加算の算定には、処遇改善加算計画書の届出が必要です。
サービス区分 | 福祉・介護職員処遇改善加算 | 福祉・介護職員等特定処遇改善加算 | |||
処遇改善加算(Ⅰ) | 処遇改善加算(Ⅱ) | 処遇改善加算(Ⅲ) | 特定処遇改善加算(Ⅰ) | 特定処遇改善加算(Ⅱ) | |
居宅介護 | 27.4% | 20.0% | 11.1% | 7.0% | 5.5% |
重度訪問介護 | 20.0% | 14.6% | 8.1% | 7.0% | 5.5% |
同行援護 | 27.4% | 20.0% | 11.1% | 7.0% | 5.5% |
行動援護 | 23.9% | 17.5% | 9.7% | 7.0% | 5.5% |
重度障害者等包括支援 | 8.9% | 6.5% | 3.6% | 6.1% | ー |
生活介護 | 4.4% | 3.2% | 1.8% | 1.4% | 1.3% |
施設入所支援 | 8.6% | 6.3% | 3.5% | 2.1% | ー |
短期入所 | 8.6% | 6.3% | 3.5% | 2.1% | ー |
療養介護 | 6.4% | 4.7% | 2.6% | 2.1% | 1.9% |
自立訓練(機能訓練) | 6.7% | 4.9% | 2.7% | 4.0% | 3.6% |
自立訓練(生活訓練) | 6.7% | 4.9% | 2.7% | 4.0% | 3.6% |
就労移行支援 | 6.4% | 4.7% | 2.6% | 1.7% | 1.5% |
就労継続支援A型 | 5.7% | 4.1% | 2.3% | 1.7% | 1.5% |
就労継続支援B型 | 5.4% | 4.0% | 2.2% | 1.7% | 1.5% |
共同生活援助 | 8.6% | 6.3% | 3.5% | 1.9% | 1.6% |
共同生活援助(日中サービス支援型) | 8.6% | 6.3% | 3.5% | 1.9% | 1.6% |
共同生活援助(外部サービス利用型) | 15.0% | 11.0% | 6.1% | 1.9% | 1.6% |
児童発達支援 | 8.1% | 5.9% | 3.3% | 1.3% | 1.0% |
医療型児童発達支援 | 12.6% | 9.2% | 5.1% | 1.3% | 1.0% |
放課後等デイサービス | 8.4% | 6.1% | 3.4% | 1.3% | 1.0% |
居宅訪問型児童発達支援 | 8.1% | 5.9% | 3.3% | 1.1% | ー |
保育所等訪問支援 | 8.1% | 5.9% | 3.3% | 1.1% | ー |
福祉型障害児入所施設 | 9.9% | 7.2% | 4.0% | 4.3% | 3.9% |
医療型障害児入所施設 | 7.9% | 5.8% | 3.2% | 4.3% | 3.9% |
加算算定対象外のサービス:就労定支援、自立生活援助、計画相談支援、障害児相談支援、地域相談支援(移行・定着)
福祉・介護職員等特定処遇改善加算について
福祉・介護職員等特定処遇改善加算は、平成24年度から実施されている福祉・介護職員処遇改善加算に加えて、職員の処遇について更なる改善を行うため令和元年10月より実施された制度です。経験・技能のある障害福祉人材について、他産業と遜色ない賃金水準を目指して重点的に処遇改善を行うことを目的としつつ、職員の更なる処遇改善という趣旨を損なわない程度において、一定程度他の職種の処遇改善も行うことができるような柔軟な運用を認めた制度になります。(※処遇改善加算は福祉・介護職員のみに配分)
・福祉専門職員配置等加算、特定事業所加算の取得状況により、特定処遇改善加算(Ⅰ)、(Ⅱ)の2つの区分があります。
特定処遇改善加算(Ⅰ) | 特定処遇改善加算(Ⅱ) |
福祉専門職員配置等加算、特定事業所加算を取得している | 福祉専門職員配置等加算、特定事業所加算を取得していない |
・処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のいずれかを取得していること
・処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取組を行っていること(6つある区分から任意で3つの区分を選択し、選択した区分でそれぞれ1つ以上の取組を行うことが必要)
・処遇改善加算に基づく取組について、ホームページ掲載等(自社ホームページの他、障害福祉サービス等情報公表検索サイト等)を通じた見える化を行っていること
➀ 経験・技能のある障害福祉人材
以下の資格要件等に該当する人材。各事業所における勤続年数10年以上の職員を基本としつつ、他の法人における経験や、当該職員の業務・技能等を踏まえ、各事業所の裁量で設定可
・福祉・介護職員のうち、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士又は保育士のいずれかの資格を保有する者
・心理指導担当職員(公認心理師含む)
・サービス管理責任者
・児童発達支援管理責任者
・サービス提供責任者
② 他の障害福祉人材
経験技能のある障害福祉人材に該当しない福祉・介護職員、心理指導担当職員(公認心理師含む)、サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者、サービス提供責任者
③ その他の職種
障害福祉人材以外の職員
職員を、➀経験・技能のある障害福祉人材 ②他の障害福祉人材 ③その他の職種 の各グループに振り分けを行います。
各グループにおける平均の処遇改善額が、
・➀経験・技能のある障害福祉人材は、②他の障害福祉人材より高くなるようにすること
・③その他の職種に対する賃金改善は、②他の障害福祉人材に対する賃金改善の2分の1を上回らないこと
※実際の処遇改善は、下記のいずれのパターンでも可
➀経験・技能のある障害福祉人材のみ
➀経験・技能のある障害福祉人材 + ②他の障害福祉人材
➀経験・技能のある障害福祉人材 + ②他の障害福祉人材 + その他職種
福祉・介護職員等特定処遇改善加算の算定には、処遇改善加算計画書の届出が必要です。
「福祉・介護職員処遇改善加算について」の加算率表を参照下さい。
福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算について
令和4年2月から9月まで実施された福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金による賃上げ効果を継続する観点から、処遇改善加算及び特定加算に追加する形で令和4年10月から導入されました。福祉・介護職員の基本給等の引き上げ(ベースアップ)による賃金改善を基本に、他の職種の処遇改善も行うことができる柔軟な運用が認められています。
処遇改善加算Ⅰ~Ⅲのいずれかを取得していること
・福祉・介護職員
・事業所の判断により、福祉・介護職員以外の職種の処遇改善も可
ベースアップ等支援加算の加算額のうち、2/3以上は福祉・介護職員等のベースアップ等(「基本給」又は「決まって毎月支払われる手当」)の引上げに使用することが求められます。
福祉・介護職員等ベースアップ等加算の算定には、処遇改善計画書の届出が必要です。
加算算定対象サービス | 加算率 |
居宅介護 | 4.5% |
重度訪問介護 | 4.5% |
同行援護 | 4.5% |
行動援護 | 4.5% |
重度障害者等包括支援 | 4.5% |
生活介護 | 1.1% |
施設入所支援 | 2.8% |
短期入所 | 2.8% |
療養介護 | 2.8% |
自立訓練(機能訓練) | 1.8% |
自立訓練(生活訓練) | 1.8% |
就労移行支援 | 1.3% |
就労継続支援A型 | 1.3% |
就労継続支援B型 | 1.3% |
共同生活援助 | 2.6% |
共同生活援助(日中サービス支援型) | 2.6% |
共同生活援助(外部サービス利用型) | 2.6% |
児童発達支援 | 2.0% |
医療型児童発達支援 | 2.0% |
放課後等デイサービス | 2.0% |
居宅訪問型児童発達支援 | 2.0% |
保育所等訪問支援 | 2.0% |
福祉型障害児入所施設 | 3.8% |
医療型障害児入所施設 | 3.8% |
処遇改善加算等の算定に関するサポート
当事務所では、処遇改善加算算定の手続きにかかる様々なサポートを行っております。
・処遇改善加算計画書作成に関するサポート
・加算取得に関するアドバイス
・キャリアパス要件、職場環境要件達成のための取組に関するサポート
・処遇改善加算実績報告書作成に関するサポート
処遇改善加算計画書作成サポート報酬 55,000円(税込)
処遇改善加算+特定処遇改善加算計画書作成サポート報酬 77,000円(税込)
処遇改善加算+ベースアップ等加算計画書作成サポート報酬 77,000円(税込)
処遇改善加算+特定処遇改善加算+ベースアップ等加算計画書作成サポート報酬 88,000円(税込)